電源容量で電力効率のスイートスポットが違うから無駄に大容量電源を使うなーって話はよく聞きますが、実際のところ、同一メーカーの80PLUS Titanium認証電源同士なら、500Wと700Wでどんくらい差があんの?って話です。

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玄人志向の80PLUS Titanium認証電源で比較


 今回比べてみるのは、玄人志向ブランドで販売されている「KRPW-TI500W/94+」と「KRPW-TI700W/94+」。それぞれ500Wと700Wの80PLUS Titanium認証電源で、どちらも1万円台で買えるお安い電源です。

 ぱっと見た感じEnhanceのOEMな感じの電源ユニットで、本体背面の電源スイッチは省略されています。安価ではありますが、80PLUSのウェブサイトに製品情報が掲載されており、素性の怪しい電源ユニットとは一線を画します。


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500W電源のKRPW-TI500W/94+。ケーブルは直付けタイプ。

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700W電源のKRPW-TI700W/94+。ケーブルは24pinとEPS8pinだけ直付けのセミプラグイン。



Skylake環境(定格)とHaswell-E環境の電力を比較


 今回実施したテストは、消費電力の異なる2つの環境に両電源ユニットをそれぞれ接続したときの消費電力を測定し、その差を比較するというもの。

 用意した環境はIntel Core i7-6700Kを搭載したIntel Z170環境と、4.0GHzにオーバークロックしたIntel Core i7-5960X Extreme Editionを搭載したIntel X99環境の二つ。それぞれの主なパーツ構成は以下の通りです。

テスト機材
※2016/06/30 22:53 マザーの型番間違ってたので差し替え

 で、実際に測定した消費電力をまとめたグラフがこちら。

消費電力

 低い消費電力では容量の少ない500W電源が有利で、消費電力が300Wを超えるような状況では700W電源の方が有利となっています。

 一般に総容量の50%あたりが電源ユニットの変換効率が最も高くなるスイートスポットと言われているので、よりそこに近い条件で500Wと700Wがそれぞれ有利になっているという結果ではあります。

 まあただ、この差が大差かと言われれば、個人的にはそうは思わないですね。1Wでも減らしたいという情熱があるなら話は別ですが、この程度の差であれば、後々のことを考えて容量の大きな方を買ってもいいんじゃないかと思います。