現在では第1世代Intel CoreとされるNehalemアーキテクチャを採用したCPU。そのメインストリーム向け製品であるLynnfieldのひとつ、Intel Core i7-870のパフォーマンスを振り返ってみようって話です。
2009年9月に発売されたLynnfieldは、Intelのメインストリーム向けプラットフォームLGA1156の立ち上げとともに投入された最初のCPUです。
LGA1366向けCPUで採用されたNehalemアーキテクチャを採用した4コアCPUで、製造プロセスは45nm。Hyper-Threading対応の有無により、4コア8スレッドCPUのIntel Core i7-800 シリーズと、4コア4スレッドCPUのIntel Core i5-700 シリーズがラインナップされました。
今回テストするIntel Core i7-870は、最初に登場したLynnfield製品のひとつで、当時LGA1156向けCPUの最上位モデルであった4コア8スレッドCPUです。動作クロックはベースが2.93GHz、Turbo Boost時最大3.6GHz。TDPは95W。

現在まで続くLGA115xプラットフォームの始祖となったLynnfieldですが、第2世代のSandy Bridge以降の製品とは違い、CPUコアにGPUコアが統合されていません。
Lynnfieldの世代で大きく進歩したのは、LGA1366ではノースブリッジに残されていたPCI ExpressコントローラをCPUに統合した点です。これによりLGA1156プラットフォームは、旧来のノースブリッジ+サウスブリッジの2チップセット構成から、サウスブリッジのみの1チップセット構成へとスマート化しています。
Intel Core i7-870のパフォーマンスを振り返るにあたって、比較対象となるスコアは第6世代Intel CoreであるIntel Core i7-6700K(Skylake-S)のものを使ってみました。両CPUの主なスペックを以下の表にまとめました。

テストに使った機材は以下の表でご確認ください。

Intel Core i7-870で実行したCINEBENCH R15の結果は以下の通り。
Intel Core i7-870のスコアとIntel Core i7-6700Kのスコアをグラフ化してみると、シングルスレッド、マルチスレッドとも1.85倍前後の差がついています。初代と第6世代、その差は大きいですね。

次はいつもの通り、TMPGEnc Video Mastering Works 6でのエンコードテストです。
Shadow Playで録画した1,920×1,080ドット@60fpsのゲーム動画(動画時間16秒)を、1,920×1,080ドット@60fps(6Mbps)のH.265/HEVC形式に変換するのに掛かった時間を比較しています。
AVX2.0をサポートするIntel Core i7-6700Kが30秒で処理を終えているのに対し、AVX2.0はもちろんAVXもサポートしていないIntel Core i7-870は、エンコード完了までに82秒の時間を要しました。

各テスト実行中の最大消費電力をまとめたのが以下のグラフです。
発売時期がほぼ6年も違ってくると、マザーボードの実装部品の性能差も少なくないのでしょう。両CPUのTDP差は4Wですが、アイドル時には14W、ピーク時には25W以上の差がついています。

Intel Core i7-870のパフォーマンスは、いまとなってはマルチスレッド性能でもSkylake世代のIntel Core i5に及ばない程度で、ワットパフォーマンスも相当な差がついています。でも、シングルスレッド性能なら、先日テストしたAMD FX-8350に匹敵してるんですね……
自分の記憶ではもうちょっと電力食いだった気がするLynnfieldですが、定格かつ80PLUS TITANIUM電源を使えば150W以下に収まるんですね。今回のテストを通して、そこが一番意外でした。
性能とはまったく関係ない話ですが、初代から第6世代までのLGA115x対応CPUの中で、一番見た目が好きなのがLynnfieldだったりします。ヒートスプレッダ周りの接点の配置とかが実に良いですね。美しいです。
Nehalem世代のメインストリーム向け4コアCPU「Lynnfield」
2009年9月に発売されたLynnfieldは、Intelのメインストリーム向けプラットフォームLGA1156の立ち上げとともに投入された最初のCPUです。
LGA1366向けCPUで採用されたNehalemアーキテクチャを採用した4コアCPUで、製造プロセスは45nm。Hyper-Threading対応の有無により、4コア8スレッドCPUのIntel Core i7-800 シリーズと、4コア4スレッドCPUのIntel Core i5-700 シリーズがラインナップされました。
今回テストするIntel Core i7-870は、最初に登場したLynnfield製品のひとつで、当時LGA1156向けCPUの最上位モデルであった4コア8スレッドCPUです。動作クロックはベースが2.93GHz、Turbo Boost時最大3.6GHz。TDPは95W。

現在まで続くLGA115xプラットフォームの始祖となったLynnfieldですが、第2世代のSandy Bridge以降の製品とは違い、CPUコアにGPUコアが統合されていません。
Lynnfieldの世代で大きく進歩したのは、LGA1366ではノースブリッジに残されていたPCI ExpressコントローラをCPUに統合した点です。これによりLGA1156プラットフォームは、旧来のノースブリッジ+サウスブリッジの2チップセット構成から、サウスブリッジのみの1チップセット構成へとスマート化しています。
性能を測る「ものさし」はIntel Core i7-6700K
Intel Core i7-870のパフォーマンスを振り返るにあたって、比較対象となるスコアは第6世代Intel CoreであるIntel Core i7-6700K(Skylake-S)のものを使ってみました。両CPUの主なスペックを以下の表にまとめました。

テストに使った機材は以下の表でご確認ください。

Intel Core i7-870で実行したCINEBENCH R15の結果は以下の通り。
Intel Core i7-870のスコアとIntel Core i7-6700Kのスコアをグラフ化してみると、シングルスレッド、マルチスレッドとも1.85倍前後の差がついています。初代と第6世代、その差は大きいですね。

次はいつもの通り、TMPGEnc Video Mastering Works 6でのエンコードテストです。
Shadow Playで録画した1,920×1,080ドット@60fpsのゲーム動画(動画時間16秒)を、1,920×1,080ドット@60fps(6Mbps)のH.265/HEVC形式に変換するのに掛かった時間を比較しています。
AVX2.0をサポートするIntel Core i7-6700Kが30秒で処理を終えているのに対し、AVX2.0はもちろんAVXもサポートしていないIntel Core i7-870は、エンコード完了までに82秒の時間を要しました。

各テスト実行中の最大消費電力をまとめたのが以下のグラフです。
発売時期がほぼ6年も違ってくると、マザーボードの実装部品の性能差も少なくないのでしょう。両CPUのTDP差は4Wですが、アイドル時には14W、ピーク時には25W以上の差がついています。

初代Intel Coreの登場から約7年……着実に進化を重ねたIntel CPU
Intel Core i7-870のパフォーマンスは、いまとなってはマルチスレッド性能でもSkylake世代のIntel Core i5に及ばない程度で、ワットパフォーマンスも相当な差がついています。でも、シングルスレッド性能なら、先日テストしたAMD FX-8350に匹敵してるんですね……
自分の記憶ではもうちょっと電力食いだった気がするLynnfieldですが、定格かつ80PLUS TITANIUM電源を使えば150W以下に収まるんですね。今回のテストを通して、そこが一番意外でした。
性能とはまったく関係ない話ですが、初代から第6世代までのLGA115x対応CPUの中で、一番見た目が好きなのがLynnfieldだったりします。ヒートスプレッダ周りの接点の配置とかが実に良いですね。美しいです。
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