前回のベンチマークテストで、4世代分の差を見せつけられたIntel Core i7-6700Kに対し、得意のオーバークロックで対抗しようというIntel Core i7-2600Kの話です。

Sandy Bridge世代のCPUではBCLK(ベースクロック)を上げるオーバークロックが期待できなくなった一方で、倍率を上げるオーバークロックが可能な「Kモデル」は、常温かつ空冷CPUクーラーを使用する環境でも、非常に優れたオーバークロック耐性を持ったCPUでした。
前回のベンチマークでは4世代後輩のIntel Core i7-6700Kにきっちり差をつけられてしまいましたが、持前のオーバークロック耐性の高さを生かして逆転を目指します。
というわけで、今回適用したオーバークロック設定は以下の通り。4.0〜5.0GHzまで0.2GHz刻みでクロックを設定。ベンチマーク実行中はすべてのCPUコアが設定クロックで動作し、アイドル時には省電力機能により1.6GHzまでクロックダウンします。

今回の設定は「ベンチマークテストが正常に完走すること」を基準としているため、常用できるほど設定は詰めていません。テストに使用した個体はそこそこの耐性がある方ですが、この設定での常用となるとちょっと無理があるでしょう。あくまでテスト用設定ということで、常用設定についてはまた別の機会にご紹介することとします。
テスト機材は以下の通り。Intel Core i7-2600Kをオーバークロックするにあたって十分に冷却するため、CPUクーラーをCryorig R1 Ultimateに変更しています。

まずはCGレンダリングでのパフォーマンスを測定するCINEBENCH R15の結果から。
項目数が多すぎるので、1スレッドあたりの性能を測る「CPU(Single Core)」と、マルチスレッド性能を測定する「CPU」をそれぞれ別グラフとしています。


全コア5.0GHzの大台までオーバークロックしたIntel Core i7-2600Kでしたが、シングルスレッド、マルチスレッドともIntel Core i7-6700Kには僅かに届かず。
もっとも、そう大きな差というわけでもないので、Intel Core i7-2600Kを5.0GHzまでオーバークロックすれば、最新世代のCPUであるIntel Core i7-6700Kに匹敵するパフォーマンスが得られるという結果といってもよいでしょう。
ちなみに、Intel Core i7-2600Kの4GHzから5GHzまでのスコアを動作クロックで割った「1GHzあたりのスコア」を並べたのが以下のグラフ。ほぼ横並びの結果となっています。これは、動作クロックとスコアの上昇率がほぼ一致していることを意味しており、オーバークロック設定に応じた適切なスコアが記録されていることを示しています。
お次はTMPGEnc Video Mastering Works 6でのエンコードテスト。
テスト条件は前回同様、Shadow Playで録画した1,920×1,080ドット@60fpsのゲーム動画(動画時間16秒)を、1,920×1,080ドット@60fps(6Mbps)のH.265/HEVC形式に変換する時間を比較します。

定格での比較では2倍の差をつけられたこのテスト。いくらオーバークロックで性能が向上するといっても、クロックの上昇率以上にエンコード速度が向上することはないので、Intel Core i7-2600Kが逆転するには7.0GHz前後のクロックが必要になります。
まぁ、無理ですよね。動画のエンコードなどAVX2.0を活用する処理では、Haswell以降のCPUがかなり有利となるようです。
最後は消費電力の測定結果。今回のオーバークロック設定は常用に耐えうるものではありませんが、そこそこ電圧突っ込んでOCすると消費電力はどの程度まで増えるのか……という程度の参考値として御覧ください。

5.0GHz時の最大消費電力は、定格時のIntel Core i7-2600KとIntel Core i7-6700Kより+100W程度といったところ。常用可能な電圧まで盛ればもっと増えるでしょうから、性能である程度迫れても、電力効率では結構な差がついてしまいそうです。
Sandy Bridgeの恵まれたオーバークロック耐性を活かして5.0GHzまでオーバークロックしてみたわけですが、結果としてはCINEBENCH R15でギリギリ届かず、最新の拡張命令を活用するエンコード処理では1.5倍の差をつけられるという結果に終わりました。
AVX2.0を活用するエンコード処理でなければ、大きくオーバークロックすることでまだまだ戦えそうなパフォーマンスを発揮できる一方、最新世代のCPUはそれを上回るパフォーマンスを少ない電力で実現している訳で、隔世の感を禁じえません。
まぁでも、オーバークロックも一定の効果は期待できるわけなので、次回は「壊れたら最新世代に買い替えるー」という位のノリでSandy Bridgeを使い倒す方向けのオーバークロック設定を紹介……できたらいいかなーと。

ベンチマークが通る程度の設定で5GHzまでオーバークロック
Sandy Bridge世代のCPUではBCLK(ベースクロック)を上げるオーバークロックが期待できなくなった一方で、倍率を上げるオーバークロックが可能な「Kモデル」は、常温かつ空冷CPUクーラーを使用する環境でも、非常に優れたオーバークロック耐性を持ったCPUでした。
前回のベンチマークでは4世代後輩のIntel Core i7-6700Kにきっちり差をつけられてしまいましたが、持前のオーバークロック耐性の高さを生かして逆転を目指します。
というわけで、今回適用したオーバークロック設定は以下の通り。4.0〜5.0GHzまで0.2GHz刻みでクロックを設定。ベンチマーク実行中はすべてのCPUコアが設定クロックで動作し、アイドル時には省電力機能により1.6GHzまでクロックダウンします。

今回の設定は「ベンチマークテストが正常に完走すること」を基準としているため、常用できるほど設定は詰めていません。テストに使用した個体はそこそこの耐性がある方ですが、この設定での常用となるとちょっと無理があるでしょう。あくまでテスト用設定ということで、常用設定についてはまた別の機会にご紹介することとします。
テスト機材は以下の通り。Intel Core i7-2600Kをオーバークロックするにあたって十分に冷却するため、CPUクーラーをCryorig R1 Ultimateに変更しています。

CINEBENCH R15
まずはCGレンダリングでのパフォーマンスを測定するCINEBENCH R15の結果から。
項目数が多すぎるので、1スレッドあたりの性能を測る「CPU(Single Core)」と、マルチスレッド性能を測定する「CPU」をそれぞれ別グラフとしています。


全コア5.0GHzの大台までオーバークロックしたIntel Core i7-2600Kでしたが、シングルスレッド、マルチスレッドともIntel Core i7-6700Kには僅かに届かず。
もっとも、そう大きな差というわけでもないので、Intel Core i7-2600Kを5.0GHzまでオーバークロックすれば、最新世代のCPUであるIntel Core i7-6700Kに匹敵するパフォーマンスが得られるという結果といってもよいでしょう。
ちなみに、Intel Core i7-2600Kの4GHzから5GHzまでのスコアを動作クロックで割った「1GHzあたりのスコア」を並べたのが以下のグラフ。ほぼ横並びの結果となっています。これは、動作クロックとスコアの上昇率がほぼ一致していることを意味しており、オーバークロック設定に応じた適切なスコアが記録されていることを示しています。
TMPGEnc Video Mastering Works 6
お次はTMPGEnc Video Mastering Works 6でのエンコードテスト。
テスト条件は前回同様、Shadow Playで録画した1,920×1,080ドット@60fpsのゲーム動画(動画時間16秒)を、1,920×1,080ドット@60fps(6Mbps)のH.265/HEVC形式に変換する時間を比較します。

定格での比較では2倍の差をつけられたこのテスト。いくらオーバークロックで性能が向上するといっても、クロックの上昇率以上にエンコード速度が向上することはないので、Intel Core i7-2600Kが逆転するには7.0GHz前後のクロックが必要になります。
まぁ、無理ですよね。動画のエンコードなどAVX2.0を活用する処理では、Haswell以降のCPUがかなり有利となるようです。
消費電力
最後は消費電力の測定結果。今回のオーバークロック設定は常用に耐えうるものではありませんが、そこそこ電圧突っ込んでOCすると消費電力はどの程度まで増えるのか……という程度の参考値として御覧ください。

5.0GHz時の最大消費電力は、定格時のIntel Core i7-2600KとIntel Core i7-6700Kより+100W程度といったところ。常用可能な電圧まで盛ればもっと増えるでしょうから、性能である程度迫れても、電力効率では結構な差がついてしまいそうです。
用途次第では追いつけたり追いつけなかったり
Sandy Bridgeの恵まれたオーバークロック耐性を活かして5.0GHzまでオーバークロックしてみたわけですが、結果としてはCINEBENCH R15でギリギリ届かず、最新の拡張命令を活用するエンコード処理では1.5倍の差をつけられるという結果に終わりました。
AVX2.0を活用するエンコード処理でなければ、大きくオーバークロックすることでまだまだ戦えそうなパフォーマンスを発揮できる一方、最新世代のCPUはそれを上回るパフォーマンスを少ない電力で実現している訳で、隔世の感を禁じえません。
まぁでも、オーバークロックも一定の効果は期待できるわけなので、次回は「壊れたら最新世代に買い替えるー」という位のノリでSandy Bridgeを使い倒す方向けのオーバークロック設定を紹介……できたらいいかなーと。
コメント
コメント一覧 (2)
私は2700Kで常用4.2Ghzだったのですが、こちらを参考に4.4Ghzは突破できました。
しかし、熱が凄いのでクーラーを新調しないと先に進めない感じでした。
現在Cooler Master Hyper TX3 evoを装着中です。
どんなクーラー使われてますか?
私は2700Kで常用4.2Ghzだったのですが、こちらを参考に4.4Ghzは突破できました。
しかし、熱が凄いのでクーラーを新調しないと先に進めない感じでした。
現在Cooler Master Hyper TX3 evoを装着中です。
どんなクーラー使われてますか?