今回のヒートシンクグラフィックでは、PhanteksのサイドフローCPUクーラー『PH-TC12DX_RD』を紹介しました。カラーアルマイトの鮮やかな赤が美しいヒートシンクですね。


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完成度の高いナロータイプ・サイドフロー、弱点は…


 ここの所、空冷ヒートシンクの上級製品と言えば、右も左もツインタワーでミッドシップレイアウトなヒートシンクばかりという状況でしたが、2012年後半から2013年前半にかけて、複数のメーカーから薄型のサイドフロー型ヒートシンクがリリースされました。メモリスロットとの干渉がキツいマザーボードが多い昨今、この傾向は歓迎できるものです。

 『PH-TC12DX_RD』をはじめとするPH-TC12DXシリーズも、そんな流れの中で登場した薄型サイドフローCPUクーラーの一つですね。標準で静音〜中高速域をカバーするファンを2基備えることで、ファンを絞っても十分な冷却性能を実現している良いCPUクーラーだと思います。

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 冷却性能、周辺パーツとのクリアランス、リテンションの完成度、ファンの静粛性、鮮やかなカラーアルマイト仕上げ。CPUクーラーに求められるほとんどの要素で優秀な『PH-TC12DX_RD』は、とても完成度の高い優等生なヒートシンクです。


 ただ、お高いんですよね、9,980円という価格は…。

 多くの要素で優れている『PH-TC12DX_RD』ですが、現行の競合製品と比較すると、コストパフォーマンスという観点だけは優れているとは言えません。ヒートシンク愛好家の方であれば、かつてThermalrightの『TRue Black 120』がファン無しで同価格であったということで、納得できるのかもしれませんが、多くのユーザーに受け入れられる価格ではないでしょう。