CPUクーラーやGPUクーラーを取り付ける際、接地面のスキマを埋めて熱をスムーズにクーラー側へ伝える役割を担うのがサーマルグリスです。
安価なシリコングリスをはじめ、熱伝導率に優れた銀を含有している事を謳うシルバーグリスなど、多くのサーマルグリスが販売されていますが、サーマルグリスによってクーラーの冷却能力がどの程度変化するのか検証してみました。
今回性能を比較するサーマルグリスは、以下の表に記載した市販品8製品と、CPUクーラー付属品2製品です。
9.0W/kmという高い熱伝導率から評価の高い『AS-05』や、このブログに掲載しているCPUクーラー性能比較検証で利用している『Freeze Extreme』、TDP 180Wを想定して配合されたという『Thermal Elixer』など高性能を謳う製品の他、安価なシリコングリス『GS-02』や、Thermaltake製CPUクーラーとサイズ製CPUクーラーに付属する標準グリス(今回は桜扇とKABUTOのものを利用)を用意しています。
高性能を謳う高価なグリスが、安価な製品や標準品に対してどの程度アドバンテージを見せる事が出来るのかが今回の比較のポイントと言えますね。
今回はサーマルグリスの性能比較という事で、検証にはGainward製のOC版 Radeon HD 4850 搭載ビデオカード『HD4850-512-GS』と、ヒートパイプ直接地型のベース面を採用したXIGMATEK製GPUクーラー『BATTLE-AXE VD964』を用意しました。
諸事情により『BATTLE-AXE VD964』は上掲の写真のようにヒートパイプを曲げていますが、今回はサーマルグリスの検証が目的なので特に問題はありません。なお、オリジナル基板・レイアウトを採用している『HD4850-512-GS』には、標準(曲げていない状態)の『BATTLE-AXE VD964』は物理的な干渉がある為取り付けられませんので、ご注意ください。
その他の検証用PCのパーツ構成は以下の通りとなっています。
今回の検証では、『GPU-Z v0.3.4』を利用して測定した結果を比較しています。負荷テストには、『FurMark』の Xtreme Burning Mode と、『3DMark06』を利用しました。
検証内容は、室温25.5±0.5℃の環境下で『FurMark』を使って10分間負荷を掛けた際のGPU温度をLoad、負荷テスト停止から10分経過した際の温度をIdleとして比較した他、『3DMark06』に関しては、ベンチマーク実行中のGPU温度の変化を記録して比較するというものになっています。
サーマルグリスの中には、本来の性能を発揮する為には一定時間の試運転が必要であると謳っている製品もあります。例えば、今回の検証を行う製品の一つである『AS-05』は、本来の性能を発揮する為には200時間もの試運転が必要とされています。しかし、流石にこの条件に合わせて検証していては時間がかかり過ぎるので、今回はクーラーのファンを停止させ、GPU温度60℃以上を60分間保持してから検証を行っています。
なお、試運転の有無により生じる性能変化については、現在『AS-05』を使って検証中です。この検証結果については後日記事にする予定ですので、いましばらくお待ちください。
まずは『FurMark』の Xtreme Burning Mode を使ってGPUをフルロード状態にした際の最高温度と、アイドル動作時の温度を比較した結果から紹介します。
テストの結果では、GELIDの『GC-EXTREME』が、比較製品10種の中で唯一、Load時の温度が40℃切る39℃を記録してトップに立っています。もっとも、他の製品のほとんどが『GC-EXTREME』と1〜2℃差の結果を残しており、25.5±0.05℃という室温差も考慮すれば、43℃と後れを取っているScythe標準グリスを除く各グリスの性能差は、ほとんど測定誤差レベルの差しか無いと言っても良い程度です。
グラフには、参考データとしてグリスを塗らずに取り付けた場合の結果も載せてあります。『BATTLE-AXE VD964』がフラットなベース面に比べて凹凸の多いヒートパイプ直接地型のベース面を採用している事もあってか、Load時の温度は『GC-EXTREME』の39℃より20℃も高い59℃となっています。接地面のスキマを埋めるサーマルグリスの必要性を改めて感じられる結果ではないかと思います。
続いては、『3DMark06』実行中(開始前10秒と終了後60秒を含む)のGPU温度変化を『GPU-Z』のロギング機能を使って記録したデータを元に作成したグラフを紹介します。
一番上の折れ線グラフが、『3DMark06』実行中の温度変化を記録したデータをそのままグラフ化したもので、そのデータから平均値を求めて比較したのが二番目のグラフ。同様に最高温度と最低温度を抜き出して比較したのが三番目のグラフです。
折れ線グラフをご覧いただければお分かり頂けるように、各グリスの温度差は非常に小さく、ほとんどの線が被ってしまっています。グリス無し時の結果が突出しているのは当然として、それ以外にこの結果からグリス毎の特徴を見出すのは事は出来ません。
平均値に関しては、先ほどの『FurMark』を使った検証でトップスコアを記録していた『GC-EXTREME』がトップに立っていますが、その差は2位のThermalright『CF2』に僅か0.15℃、最下位のScythe標準グリスと比較しても1℃未満しかありません。
最高温度・最低温度に関しては、『CF2』がLoad時38.5℃で単独トップに立っており、0.5℃差の2位に『GC-EXTREME』や『Thermal Elixer』などが並んでいます。ここでの(グリスレスを除いて)最も高い温度が40.0℃なので、トップとの間には1.5℃差がある事になりますが、最小測定単位が0.5℃である点にご注意ください。
全体的な傾向としては高性能を謳うグリスが良い結果を残しているものの、今回比較したグリスの中で最高の熱伝導率(9.0W/m・K)を誇るArctic Silver『AS-05』は、シリコングリスの『GS-02』と同程度の結果しか残せておらず、200時間の試運転を行っていないとは言えイマイチな結果となっています。
一方で、今回の検証で、安定して良い結果を残したGELID『GC-EXTREME』、Thermalright『CF2』、Scythe『Thermal Elixer』、OCZ『Freeze Extreme』のうち、熱伝導率のスペックを公開しているのはOCZ『Freeze Extreme』のみですが、そのスペックも3.8W/m・Kと大して高い値とは言えません。グリスにおける熱伝導率は、ケースファンの騒音値と同様に性能の絶対的な指標にはなり得ないスペックのような気がします。
熱伝導率が当てにならないとなると、購入前にグリスの性能を判断するのはかなり難しいですね…。
今回の検証でグリスの違いによって生じた温度差は1〜2℃程度と小さく、測定環境と測定方法から考えれば誤差と言っても良い程度の差である事は確かですが、ハイエンドCPUクーラー同士の性能差が僅かしかない現状を考えれば、グリスによって生じる1〜2℃の差によって、CPUクーラーの性能差を逆転する事も十分に考えられます。そう考えれば、どのグリスを選んでも冷却性能的には大差ないとは言えないのかもしれません。
1℃でも低い温度を実現しようというハイエンドCPUクーラーと組み合わせるのであれば、やはり高性能なグリスと組み合わせた方が良いのでしょうが、温度を追及しないのであれば、価格や塗り易さ、導電性の有無など性能以外のスペックを重視して選んでも、ハズレを引かない限りは十分な効果を得られるでしょうから、どのグリスが買いなのかはユーザーの考え方次第と言ったところでしょうか。
個人的には、熱伝導率よりも接地面のスキマを確実に埋める事が重要なので、非導電性で出来るだけ塗り易いグリスがお勧めしたいところですが、……やっぱり最近発売された主成分がダイヤモンドのグリスが気になります。既に売り切れてしまっているみたいですが、実際の所どうなんでしょうね?
安価なシリコングリスをはじめ、熱伝導率に優れた銀を含有している事を謳うシルバーグリスなど、多くのサーマルグリスが販売されていますが、サーマルグリスによってクーラーの冷却能力がどの程度変化するのか検証してみました。
サーマルグリス検証記事 ・サーマルグリス性能比較 其の壱 ・サーマルグリス性能比較 其の弐 〜 高発熱環境での検証 〜 |
◆ 比較製品一覧 |
今回性能を比較するサーマルグリスは、以下の表に記載した市販品8製品と、CPUクーラー付属品2製品です。
比較用グリス一覧 | ||||
メーカー | 製品名 | 熱伝導率 | 内容量 | 価格情報 |
Ainex | GS-02 | 1.8 W/m・K | 1.0g | 300円前後 |
Arctic Silver | AS-05 | 9.0 W/m・K | 3.5g | 最安値情報 |
Arctic Silver | AS-04 | 5.1 W/m・K | 2.5g | 最安値情報 |
GELID | GC-EXTREME | 非公開 | 3.5g | 最安値情報 |
GELID | GC-2 | 非公開 | 7.0g | 最安値情報 |
OCZ | Freeze Extreme | 3.8 W/m・K | 3.5g | 最安値情報 |
Scythe | Thermal Elixer | 非公開 | 3.5g | 最安値情報 |
Thermalright | CF2 | 非公開 | 4.0g | 最安値情報 |
Scythe | 付属品 | 非公開 | 不明 | ─ |
Thermaltake | 付属品 | 非公開 | 不明 | ─ |
9.0W/kmという高い熱伝導率から評価の高い『AS-05』や、このブログに掲載しているCPUクーラー性能比較検証で利用している『Freeze Extreme』、TDP 180Wを想定して配合されたという『Thermal Elixer』など高性能を謳う製品の他、安価なシリコングリス『GS-02』や、Thermaltake製CPUクーラーとサイズ製CPUクーラーに付属する標準グリス(今回は桜扇とKABUTOのものを利用)を用意しています。
高性能を謳う高価なグリスが、安価な製品や標準品に対してどの程度アドバンテージを見せる事が出来るのかが今回の比較のポイントと言えますね。
◆ 検証環境 |
今回はサーマルグリスの性能比較という事で、検証にはGainward製のOC版 Radeon HD 4850 搭載ビデオカード『HD4850-512-GS』と、ヒートパイプ直接地型のベース面を採用したXIGMATEK製GPUクーラー『BATTLE-AXE VD964』を用意しました。
諸事情により『BATTLE-AXE VD964』は上掲の写真のようにヒートパイプを曲げていますが、今回はサーマルグリスの検証が目的なので特に問題はありません。なお、オリジナル基板・レイアウトを採用している『HD4850-512-GS』には、標準(曲げていない状態)の『BATTLE-AXE VD964』は物理的な干渉がある為取り付けられませんので、ご注意ください。
その他の検証用PCのパーツ構成は以下の通りとなっています。
◆ テスト内容 〜 検証方法・検証条件・使用ソフト 〜 |
今回の検証では、『GPU-Z v0.3.4』を利用して測定した結果を比較しています。負荷テストには、『FurMark』の Xtreme Burning Mode と、『3DMark06』を利用しました。
検証内容は、室温25.5±0.5℃の環境下で『FurMark』を使って10分間負荷を掛けた際のGPU温度をLoad、負荷テスト停止から10分経過した際の温度をIdleとして比較した他、『3DMark06』に関しては、ベンチマーク実行中のGPU温度の変化を記録して比較するというものになっています。
サーマルグリスの中には、本来の性能を発揮する為には一定時間の試運転が必要であると謳っている製品もあります。例えば、今回の検証を行う製品の一つである『AS-05』は、本来の性能を発揮する為には200時間もの試運転が必要とされています。しかし、流石にこの条件に合わせて検証していては時間がかかり過ぎるので、今回はクーラーのファンを停止させ、GPU温度60℃以上を60分間保持してから検証を行っています。
なお、試運転の有無により生じる性能変化については、現在『AS-05』を使って検証中です。この検証結果については後日記事にする予定ですので、いましばらくお待ちください。
◆ 性能検証その1 〜 フルロード時とアイドル時の温度比較 〜 |
まずは『FurMark』の Xtreme Burning Mode を使ってGPUをフルロード状態にした際の最高温度と、アイドル動作時の温度を比較した結果から紹介します。
テストの結果では、GELIDの『GC-EXTREME』が、比較製品10種の中で唯一、Load時の温度が40℃切る39℃を記録してトップに立っています。もっとも、他の製品のほとんどが『GC-EXTREME』と1〜2℃差の結果を残しており、25.5±0.05℃という室温差も考慮すれば、43℃と後れを取っているScythe標準グリスを除く各グリスの性能差は、ほとんど測定誤差レベルの差しか無いと言っても良い程度です。
グラフには、参考データとしてグリスを塗らずに取り付けた場合の結果も載せてあります。『BATTLE-AXE VD964』がフラットなベース面に比べて凹凸の多いヒートパイプ直接地型のベース面を採用している事もあってか、Load時の温度は『GC-EXTREME』の39℃より20℃も高い59℃となっています。接地面のスキマを埋めるサーマルグリスの必要性を改めて感じられる結果ではないかと思います。
◆ 性能検証その2 〜 3DMark06実行中のGPU温度 〜 |
続いては、『3DMark06』実行中(開始前10秒と終了後60秒を含む)のGPU温度変化を『GPU-Z』のロギング機能を使って記録したデータを元に作成したグラフを紹介します。
一番上の折れ線グラフが、『3DMark06』実行中の温度変化を記録したデータをそのままグラフ化したもので、そのデータから平均値を求めて比較したのが二番目のグラフ。同様に最高温度と最低温度を抜き出して比較したのが三番目のグラフです。
折れ線グラフをご覧いただければお分かり頂けるように、各グリスの温度差は非常に小さく、ほとんどの線が被ってしまっています。グリス無し時の結果が突出しているのは当然として、それ以外にこの結果からグリス毎の特徴を見出すのは事は出来ません。
平均値に関しては、先ほどの『FurMark』を使った検証でトップスコアを記録していた『GC-EXTREME』がトップに立っていますが、その差は2位のThermalright『CF2』に僅か0.15℃、最下位のScythe標準グリスと比較しても1℃未満しかありません。
最高温度・最低温度に関しては、『CF2』がLoad時38.5℃で単独トップに立っており、0.5℃差の2位に『GC-EXTREME』や『Thermal Elixer』などが並んでいます。ここでの(グリスレスを除いて)最も高い温度が40.0℃なので、トップとの間には1.5℃差がある事になりますが、最小測定単位が0.5℃である点にご注意ください。
◆ 検証結果の考察 〜 熱伝導率は当てにならない? 〜 |
全体的な傾向としては高性能を謳うグリスが良い結果を残しているものの、今回比較したグリスの中で最高の熱伝導率(9.0W/m・K)を誇るArctic Silver『AS-05』は、シリコングリスの『GS-02』と同程度の結果しか残せておらず、200時間の試運転を行っていないとは言えイマイチな結果となっています。
一方で、今回の検証で、安定して良い結果を残したGELID『GC-EXTREME』、Thermalright『CF2』、Scythe『Thermal Elixer』、OCZ『Freeze Extreme』のうち、熱伝導率のスペックを公開しているのはOCZ『Freeze Extreme』のみですが、そのスペックも3.8W/m・Kと大して高い値とは言えません。グリスにおける熱伝導率は、ケースファンの騒音値と同様に性能の絶対的な指標にはなり得ないスペックのような気がします。
熱伝導率が当てにならないとなると、購入前にグリスの性能を判断するのはかなり難しいですね…。
◆ まとめ 〜 グリス毎の性能差は小さいのか?大きいのか? 〜 |
今回の検証でグリスの違いによって生じた温度差は1〜2℃程度と小さく、測定環境と測定方法から考えれば誤差と言っても良い程度の差である事は確かですが、ハイエンドCPUクーラー同士の性能差が僅かしかない現状を考えれば、グリスによって生じる1〜2℃の差によって、CPUクーラーの性能差を逆転する事も十分に考えられます。そう考えれば、どのグリスを選んでも冷却性能的には大差ないとは言えないのかもしれません。
1℃でも低い温度を実現しようというハイエンドCPUクーラーと組み合わせるのであれば、やはり高性能なグリスと組み合わせた方が良いのでしょうが、温度を追及しないのであれば、価格や塗り易さ、導電性の有無など性能以外のスペックを重視して選んでも、ハズレを引かない限りは十分な効果を得られるでしょうから、どのグリスが買いなのかはユーザーの考え方次第と言ったところでしょうか。
個人的には、熱伝導率よりも接地面のスキマを確実に埋める事が重要なので、非導電性で出来るだけ塗り易いグリスがお勧めしたいところですが、……やっぱり最近発売された主成分がダイヤモンドのグリスが気になります。既に売り切れてしまっているみたいですが、実際の所どうなんでしょうね?
サーマルグリス検証記事 ・サーマルグリス性能比較 其の壱 ・サーマルグリス性能比較 其の弐 〜 高発熱環境での検証 〜 |
コメント
コメント一覧 (13)
ダイヤモンドなICD7Cは気になりますね〜
むしろそれに期待して記事を見に来てましたw
自分はめんどくさがりなので塗らない、拭かない、何度でも使える。なThermo-TranzM50αばかりですが('A`)
斑は出来ないのでクーラー変えたときの温度が確実に実感できるので使ってますw
そんなに冷えない(純正グリス並?)のが難ですけどねzzz
四苦八苦するパーツ(というか素材)ですよね
塗り方や広がり方も考慮すると誤差の要素が大きいですし
面積の広いヒートスプレッダ上に広げるなら
有意差が出てきそうなもんですが、どうでしょうかね
>ダイヤモンドなICD7Cは気になりますね〜
>むしろそれに期待して記事を見に来てましたw
ご期待に添えず申し訳ございません m(_ _)m
ICD7Cはアキバに行った時に探してみるつもりです。
流石に今は入手出来ないかもしれませんが、もし入手
出来たなら、そのうちレビューするかもしれません。
Thermo-TranzM50αとは熱伝導シートのことですね。
確かに繰り返し使えるというのは便利そうですね〜。
大差ないというのもそうかもしれないんですけど、
そもそも、どういった条件で行う検証が、グリスの
性能を評価するうえで最適な検証に成り得るのかを
考えるのが大変だったりします。
今回はBATTLE-AXE VD964が冷やし過ぎて温度が
低くなってしまった為、結果的に各グリスの性能差
が見えにくくなっているという見方もできます。
例えば、GC-EXTRENEはサイズ純正品に10%の差を
つけています。(FurMark)
>面積の広いヒートスプレッダ上に広げるなら
>有意差が出てきそうなもんですが、どうでしょうかね
一応現在Core 2 Extreme QX9650を使った検証
を行っています。まだ途中ですが、確かに差は出て
います。接地面積が増えた事もありそうですが、
単純に温度が大きく上がっているからかもしれません。
でも、無理にパフォーマンス差を出そうとするのも
変な話なので、ある条件では差が出ても、違う条件
ではグリスの影響力が少なくなる。というような検証
が出来ればいいような気がします。
自分も『INNOVATIONCOOLING ICD7C ダイヤモンド7カラット』を購入しようと思ってたのでタイムリーなネタでした。
難しいですよねェ、グリスの性能って。
会社で使ってるPCなんて、十年落ちの骨董品が山程有ります。
クーラーは埃だらけで、グリスなんてとっくにオイルとシリコンが隔離して、でも普通に動作してますよォ。
各グリスの即効性能差が、それ程無いのは有る程度はうなずけます。
基本は『こまめにグリスを塗り治す。』
詰まりは、メンテナンスが最大の性能向上要因ですよね。
自作erはどうしても、ベンチで数値確認出来る即効性を求めますから。
とは言え、グリスって何度も塗り治すもんじゃないし、めんどくさいし・・・
グリスのベンチにも、『耐久性』とか『環境対性能比』なんてのも有っていいのかも知れませんね。
個人的には、自作erはパーツを年中とっかえひっかえするものなので
ついでに『クーラーとグリスを換えてみる』のが恒例で
自分の『お気に入り』のクーラーの性能を、1〜2年最大に限引き出してくれればOK!ってなスタンスです。
どちらにしても瀬文茶さんのレヴューを熱心に愛読する人達って、
クーラー付属のグリスを使っても、数千円のグリスを使っても大差はないんじゃあないかと・・・
お疲れ様でした。
でしたが。ダイアモンドの方はconecoでレビュー出てますが、物凄い硬いらしいです。
ただ、性能的には地雷でもないらしく、試す価値はありそうな感じ。
以下、素人の空想なので大外れだった場合はご容赦ください。
グリスの粘度などもグリスの性能や能力に関係しているのではないでしょうか? 粘度が低ければ油膜?も薄くなって熱伝導が良くなるのではないかと思います。また、グリスの成分によってCPU(ヒートスプレッダ)やクーラーとの熱引きが違うかもしれません。いくらグリスそのものの熱伝導率が良くてもグリスとヒートスプレッダとの間で熱交換する具合が劣っていれば結果が違うかもしれません。
熱伝導率以外の物性もなにか関係があるのではないかと思うのです。
初めまして。お返事遅れてすみません。
私もグリスや熱の専門家という訳では無いので、あくまで
検証で得られた結果を基にした事しか言えませんが、
熱伝導率が温度差に与える影響力はさほど大きく無いように
感じています。まずしっかり塗れている事が重要といったところ
でしょうか。
そういった意味では、グリスの粘度なども影響を与えるかと思います。
ただ、多くのグリスが性能の指標として熱伝導率以外を謳っていない
現状では、熱伝導率くらいしか性能を測る指標になり得ないのが、
PC向けサーマルグリスの現状です。
粘度を数値化出来れば良いのですが、個人レベルではそうそう出来る
事ではありませんから難しいところですね。
http://www.gelidsolutions.com/products/index.php?lid=1&cid=3&id=42&tab=2
熱の放熱の問題は、抵抗器を直列につないだような問題で、仮に100Ω+10Ω+1kΩ等とつないだ場合、仮にグリスが10Ωに相当した場合、これが多少変化しても抵抗値としてはあまり変わりがないわけです。
熱抵抗の大きな部分に手を加えるのが効果的です。
水冷などでかつCPUの発熱が大きいく、CPU内部の熱抵抗が低い場合、効果が表れると思います。
銅が398w/mk
シリコンが168w/mk
アルミが236w/mk
空気が0.0241w/mk
なのでグリス自体の熱伝導率が2w/mk程度あれば 超大型のクーラー等で空気の触れる面積をバカみたいに増やさない限り効果はほとんどないということになる
水が0.6w/mk程度なので水冷ならグリスで7〜8度以上変わってもおかしくはないが空冷であればほとんど誤差レベルかと