昨日は、MSI X99S SLI PLUSのメモリクロック関連の話題を記事にしましたが、前提条件としてHaswell-Eのメモリクロックがどのように決まるか理解していないと説明しにくい内容でした。なので、今回はHaswell-Eにおけるメモリクロックの決まり方を紹介し、昨日の記事の補足としたいと思います。




Haswell-Eのメモリクロック計算式


 さて、Haswell-Eにおけるメモリクロックの決まり方を式にすると、以下のようになります。

メモリクロック ベースクロック(BCLK) × 「BCLK:DRAM」倍率 × メモリ倍率

 自作PCを結構していらっしゃる方なら、ベースクロックにメモリ倍率を掛けたものがメモリクロックであるということはご存知かと思われます。ただ、Haswell-Eの場合は、この間に「BCLK:DRAM」倍率という、あまり馴染みの無い倍率が入っています。

 「BCLK:DRAM」倍率というものは、メモリクロック用のベースクロックを生成するための倍率とでも言ったところです。これはIvy Bridgeの頃から導入されたもので、ベースクロックを1倍、または1.33倍することで、メモリクロック用に100MHzまたは133MHzのクロックを供給します。これにより、ベースクロック自体を変化させることなく、より多くのメモリクロックを作りだすことが可能になりました。



MSI X99S SLI PLUSでの設定


 MSI X99S SLI PLUSでは、「BCLK:DRAM」倍率は「DRAM Reference Clock」という名称で実装されており、通常オートに設定されています。オートに設定されている場合、選択されたメモリクロックに合わせて自動的に倍率が変更されるため、この機能を意識することはありません。

 DRAM Reference Clockではオート以外に、200MHzと266MHzの2つの設定が用意されています。この数字は前述の1倍または1.33倍したベースクロックをDDR換算(=2倍)した数字です。これらの数字を指定すると、DRAM Frequencyで設定可能なメモリクロックの減少が確認できます。

DRAM
DRAM Reference Clockの設定項目

MSI_SnapShot
DRAM Reference Clock: Auto設定時

200MHz
DRAM Reference Clock: 200MHz設定時

266MHz
DRAM Reference Clock: 266MHz設定時

 各設定時に表示されたメモリクロックをDRAM Reference Clockで逆算してみると、選択可能なメモリ倍率自体は以下の通りとなり、メモリ倍率が整数倍しか用意されていないことがわかります。

表

 ちなみに、200MHz時にもDDR4-3200が表示されていますが、266MHz時にDDR4-3200での起動が可能なメモリを使用しても、200MHz設定でのDDR4-3200動作は不可能でした。やたら高い倍率になりますし、これが本当に有効な設定なのかはちょっと疑問です。