MSI X99S SLI PLUSをチェックしてみる、第二回となる今回は、メモリの設定周りをチェックしていきます。

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MSI X99S SLI PLUSがサポートするメモリは?


 設定関連を見る前に、まずはMSI X99S SLI PLUSがスペック上サポートしているメモリを確認しましょう。

 メモリスロット
 ・DDR4メモリスロット ×8本

 対応メモリクロック
 ・DDR4-2133/2200/2400/2600/2666/2750/3000/3110/3333
 ※赤字はオーバークロック対応

 最大容量
 ・128GB (16GBメモリ×8枚)

 その他
 ・クアッドチャンネルメモリ対応
 ・non-ECC/un-bufferd メモリ対応
 ・XMP(Intel Extreme Memory Profile)対応

 X99S SLI PLUSがサポートするメモリは、新規格のDDR4メモリ。動作クロックはHaswell-E系のIntel Core i7が定格でサポートするDDR4-2133から、オーバークロックメモリを用いた最大DDR4-3333までに対応しています。最大搭載可能メモリは128GBとされていますが、これはDDR4メモリの16GBモジュールの登場待ちです。

 対応メモリクロックを見ているとお気づきになられるかもしれませんが、DDR4-2750とかDDR4-3110とか、なんだか切りの悪いクロックが混じっています。その一方、既にオーバークロックメモリとして発売されているDDR4-2800が記述されていません。これについては、次の章で説明したいと思います。

 余談ですが、マザーボードのスペックで「OC対応」としているメモリクロックに関しては、そのクロックで必ず動作するというものではありません。あくまで、そういう設定も可能であるという程度の表記であることに注意しましょう。



UEFIの設定項目をチェックしてみると……


 さて、それではメモリの設定を行う、UEFIの項目をチェックしてみたいと思います。X99S SLI PLUSのUEFIは、MSIの「Click BIOS 4」のGUIデザインを採用しており、メモリクロックについてはOCタブで設定します。

 DRAM Frequencyを選択してEnterキーを押下すると、以下の画像のように選択可能なメモリクロックが表示されます。

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 選択可能なメモリクロックはDDR4-1333からDDR4-3200で、スペック上の表記よりも低いメモリクロックでの動作をサポートしていることが分かります。

 低いメモリクロックでの動作が可能な一方、スペック上で対応が謳われているメモリクロックのうち、「DDR4-2750」「DDR4-3000」「DDR4-3110」「DDR4-3333」の4つが表示されていません。これはどういうことなのかというと、X99S SLI PLUSにおいて、これら4つのメモリクロックは、ベースクロックをオーバークロックしなければ設定できないクロックなのです。

 Sandy Bridge以降のIntel製CPUは、ベースクロックとPCI Expressなどのクロックが連動してしまうため、以前のCPUのようにベースクロックの引き上げが困難になっています。この傾向自体はHaswell世代でも変わっていないのですが、Haswell-EベースのIntel Core i7では、ではCPU Strapと呼ばれる機能により、PCI Expressのクロックを100MHzに固定したまま、ベースクロックを125MHz/167MHz/250MHzの三段階に設定することができます。

 CPU Strapを利用してベースクロックを上げると、メモリクロックもそれに引っ張られて上昇します。例としては、100MHzではDDR4-2133になっていたメモリ対比の場合、125MHzではDDR4-2666、167MHzではDDR4-3562になります。これを表にまとめたものが以下の表です。

表

 というわけで、X99S SLI PLUSがサポートするメモリクロックのうち、「DDR4-2750」「DDR4-3000」「DDR4-3333」の3つは125MHz、「DDR4-3110」に関しては167MHzに、それぞれベースクロックをオーバークロックする必要があるのです。



他のマザーボードも全部こういう仕様なのか?


 Intel X99 Expressチップセット搭載マザーボードは、メーカーや製品によって、ベースクロック100MHz時に設定可能なメモリクロックが異なっており、例えばASUSのX99-Aでは、ベースクロック100MHz時にDDR4-2800が選択可能だったりします。動くかどうかは別の話しですが……

 ちなみに、DDR4-2666のオーバークロックメモリをXMPで設定すると、倍率を持っているマザーボードでもベースクロックを125MHzに引き上げて設定しようとするマザーボードが多いようです。あまりに高いメモリ対比では安定した動作を得るのが難しいのかもしれません。

 そう考えると、現在発売されているDDR4-2800メモリというのは、X99S SLI PLUSでは案外使いづらいメモリであるとも言えます。先に紹介した表のとおり、ベースクロック125MHzでも167MHzでも、DDR4-2800ちょうどのメモリクロックを作りだすことは出来ません。ベースクロックをずらせばPCI Expressのクロックもずれてしまうので、安定した動作を狙うには好ましくない設定となってしまいます。

 X99S SLI PLUSで、ベースクロックを弄らずにオーバークロックメモリを使うなら、DDR4-2666までにしておくのが良さそうです。