Richlandの最上位モデルである『A10-6800K』では、内蔵メモリコントローラの対応メモリクロックがDDR3-2133に引き上げられています。メインメモリをVRAMとしも利用するAPUにとって、メモリクロックはGPU性能を大きく左右する要素であります。
Trinityの時にもテストした内容ではありますが、『A10-6800K』では組み合わせるメモリクロックによって、どの程度3D描画性能が変化するのかチェックしてみたいと思います。

『A10-6800K』とASUS『F2A85-M PRO』の組み合わせでは、メモリクロックの設定はDDR3-800〜DDR3-2400まで用意されています。DDR3-2400以上のメモリクロックを設定するためには、ベースクロックのオーバークロックが必須となるため、今回はとりあえずDDR3-2400までの設定で検証を行いたいと思います。
さて、今回Richladnのメモリテストを行うにあたって用意したメモリは、DDR3-2666スペックの4GB×4メモリG.SKILL『F3-2666C11Q-16GTXD』です。このメモリをDDR3-1333〜DDR3-2400までのクロックで動作させて検証を行います。
今回、ちょっと時間の都合上実施できるベンチマークテストが限られているので、「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」のオフィシャルベンチマークテストの結果だけご紹介します。他のベンチマークテストについては近日中に改めて…。
テストの設定については、グラフィック設定のプリセットを「標準品質」、スクリーンモード設定を「フルスクリーン表示」、そして画面解像度を「1920×1080」に設定しています。
ベンチマーク結果は以下のグラフの通りです。最もクロックの低いDDR3-1333時と、最も高いDDR3-2400時では約1,000ポイントのスコア差がつきました。DDR3-2400のスコアはDDR3-1333の約1.45倍で、小さな差ではありませんね。
ただ、今回のテストでは、DDR3-1866以上のスコア差は10%程度に留まっており、ややスコアの伸びが鈍い印象があります。VRAMをガンガン使う設定やゲームタイトルであれば、もっと大きな差がつく可能性はあるので、その辺りは別の機会に試してみてみたいと思います。


ワットチェッカーでシステム全体の消費電力を測定してみたので、参考までにご紹介します。なお、本当はベンチマーク実行中の消費電力を比較すべきなのですが、あんな長いテスト、ずっとワットチェッカー見てらんないので時間の都合で「GPU-Z 0.7.2」のRender Testを実行した際の消費電力と、アイドル動作時の消費電力を測定しました。
消費電力測定結果が以下のグラフです。DDR3-1333〜DDR3-2133までは微増といった程度の消費電力増加に留まったのですが、DDR3-2400で消費電力が跳ね上がってしまっていますね。

大幅な消費電力アップとなってしまっているDDR3-2400時ですが、これは単にメモリ電圧が上がっているためだけでなく、Autoで設定しているノースブリッジ電圧が高く設定されていることも影響しているようです。
下のスクリーンショットの左がDDR3-2133時で、右がDDR3-2400時なのですが、Autoに設定されている「VDDNB Offset Voltage」の数値が、DDR3-2133時は1.225Vなのに対し、DDR3-2400時には1.475Vに引き上げられていることがお分かりいただけると思います。
Auto設定の電圧なので、手動で設定してより低い数値を設定すれば消費電力を引き下げられる可能性があるのですが、DDR3-2400時に電圧を1.225Vに設定してみたところ、ベンチマークテストを完走することが出来なかったので、この『A10-6800K』でDDR3-2400動作を実現するためには、多少なり「VDDNB Offset Voltage」を昇圧する必要があるようです。
Trinityの頃は、DDR3-2400が動かない個体がそれなりにあったと思うのですが、勉強会で頂いた『A10-6800K』は、あっさりDDR3-2400設定でベンチマークテストを走らせることが出来て良かったです。ただ、DDR3-2400動作については、消費電力の結果からも分かる通り、多少は個体の耐性に合わせて調整してやる必要がありそうですね。
4GBメモリ4枚差しでのDDR3-2133動作およびDDR3-2400動作に成功したのは、それなりに意義のあることですが、3D描画パフォーマンス的にはもう少し伸びてほしかった感はあります。もっとも、今回はベンチマークを一つしか実行できていないので、アンチエイリアシングを適用するテストなど、VRAM負荷の大きいテストでは、さらに差がつく可能性があります。その辺りは次の機会に試せればと思うところであります。
Trinityの時にもテストした内容ではありますが、『A10-6800K』では組み合わせるメモリクロックによって、どの程度3D描画性能が変化するのかチェックしてみたいと思います。

テスト機材と設定紹介
『A10-6800K』とASUS『F2A85-M PRO』の組み合わせでは、メモリクロックの設定はDDR3-800〜DDR3-2400まで用意されています。DDR3-2400以上のメモリクロックを設定するためには、ベースクロックのオーバークロックが必須となるため、今回はとりあえずDDR3-2400までの設定で検証を行いたいと思います。
さて、今回Richladnのメモリテストを行うにあたって用意したメモリは、DDR3-2666スペックの4GB×4メモリG.SKILL『F3-2666C11Q-16GTXD』です。このメモリをDDR3-1333〜DDR3-2400までのクロックで動作させて検証を行います。
テスト機材 | |
---|---|
APU | AMD A10-6800K |
マザーボード | ASUS F2A85-M PRO (BIOS ver.6204) |
メモリ | G.SKILL F3-2666C11Q-16GTXD (4GB×4) |
ストレージ | Plextor M5 Pro Xtreme 128GB |
電源ユニット | SilverStone SST-ST85F-G (850W/Gold認証) |
VRAM容量 | 1GB |
VGAドライバ | AMD Catalyst 13.4 |
OS | Windows 8 Pro 64bit |
メモリ設定 | ||
---|---|---|
クロック | タイミング | 電圧 |
DDR3-1333 | 9-9-9-24 | 1.50V |
DDR3-1600 | 9-9-9-24 | 1.50V |
DDR3-1866 | 9-10-9-28 | 1.50V |
DDR3-2133 | 11-11-11-30 | 1.60V |
DDR3-2400 | 11-13-13-35 | 1.65V |
ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア ベンチマーク
今回、ちょっと時間の都合上実施できるベンチマークテストが限られているので、「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」のオフィシャルベンチマークテストの結果だけご紹介します。他のベンチマークテストについては近日中に改めて…。
テストの設定については、グラフィック設定のプリセットを「標準品質」、スクリーンモード設定を「フルスクリーン表示」、そして画面解像度を「1920×1080」に設定しています。
ベンチマーク結果は以下のグラフの通りです。最もクロックの低いDDR3-1333時と、最も高いDDR3-2400時では約1,000ポイントのスコア差がつきました。DDR3-2400のスコアはDDR3-1333の約1.45倍で、小さな差ではありませんね。
ただ、今回のテストでは、DDR3-1866以上のスコア差は10%程度に留まっており、ややスコアの伸びが鈍い印象があります。VRAMをガンガン使う設定やゲームタイトルであれば、もっと大きな差がつく可能性はあるので、その辺りは別の機会に試してみてみたいと思います。


消費電力の測定結果
ワットチェッカーでシステム全体の消費電力を測定してみたので、参考までにご紹介します。なお、本当はベンチマーク実行中の消費電力を比較すべきなのですが、
消費電力測定結果が以下のグラフです。DDR3-1333〜DDR3-2133までは微増といった程度の消費電力増加に留まったのですが、DDR3-2400で消費電力が跳ね上がってしまっていますね。

大幅な消費電力アップとなってしまっているDDR3-2400時ですが、これは単にメモリ電圧が上がっているためだけでなく、Autoで設定しているノースブリッジ電圧が高く設定されていることも影響しているようです。
下のスクリーンショットの左がDDR3-2133時で、右がDDR3-2400時なのですが、Autoに設定されている「VDDNB Offset Voltage」の数値が、DDR3-2133時は1.225Vなのに対し、DDR3-2400時には1.475Vに引き上げられていることがお分かりいただけると思います。
Auto設定の電圧なので、手動で設定してより低い数値を設定すれば消費電力を引き下げられる可能性があるのですが、DDR3-2400時に電圧を1.225Vに設定してみたところ、ベンチマークテストを完走することが出来なかったので、この『A10-6800K』でDDR3-2400動作を実現するためには、多少なり「VDDNB Offset Voltage」を昇圧する必要があるようです。
DDR3-2400は多少チューニングが必要か
Trinityの頃は、DDR3-2400が動かない個体がそれなりにあったと思うのですが、勉強会で頂いた『A10-6800K』は、あっさりDDR3-2400設定でベンチマークテストを走らせることが出来て良かったです。ただ、DDR3-2400動作については、消費電力の結果からも分かる通り、多少は個体の耐性に合わせて調整してやる必要がありそうですね。
4GBメモリ4枚差しでのDDR3-2133動作およびDDR3-2400動作に成功したのは、それなりに意義のあることですが、3D描画パフォーマンス的にはもう少し伸びてほしかった感はあります。もっとも、今回はベンチマークを一つしか実行できていないので、アンチエイリアシングを適用するテストなど、VRAM負荷の大きいテストでは、さらに差がつく可能性があります。その辺りは次の機会に試せればと思うところであります。
コメント
コメント一覧 (5)
>スクリーンショットの右がDDR3-2133時で、右がDDR3-2400 >
御疲れの様ですが、誤字の報告だけ。
で本題ですが、2400で動くのは良いですねー
調べてないからAMDのAPUがどこからDDR4対応になるのかわかりませんが、DDR4になったらますます盛り上がりそうですね
今回ためした個体で無事にDDR3-2400が動いて良かったです。
個人で試せるレベルではありませんが、
Trinityよりメモコン耐性が上がっているなら、
Richlandの魅力となるかもしれないですね。
現状のAPUですら、メモリ帯域がボトルネックに
なっているわけですから、より高速な次世代メモリ
の採用は楽しみです。
ソケットの互換性維持が期待されるAMDですが、
そこにこだわりすぎず、パフォーマンスを上げる
ことにも注力して欲しいですね。
DDR3-2666での動作は、メモリコントローラが高耐性であることに加え、
メモリ倍率が足りないため、ベースクロックを125MHzまで上げる必要があります。
従って、現状のRichlandでDDR3-2666を実用的に動作させるのは困難です。
時間が出来たら詳しくテストするつもりですが、単純にメモリとベースクロック、
電圧の設定を行っただけだと、起動しないことは確認しています。