ASCII.jpで、毎年恒例のCPUクーラー王座決定戦の2012年版が行われています。2012年中に発売された全20製品がエントリーしています。


AMDプラットフォームで競われるCPUクーラーの頂点


 今年で7年目を迎えるCPUクーラー王座決定戦。2013年3月開催となった今年は、AMDの最新鋭8コアCPU『AMD FX-8350』を4.6GHzにオーバークロックした検証環境で、2012年に発売されたCPUクーラー20製品が頂点を目指し、その冷却性能を競います。

 参加資格の「Intel LGA1155とSocket AM3+のサポート(マルチソケット対応)」、「2013年1月下旬時点で販売継続中であること(現行品)」、「パーツショップで入手しやすいこと(入手性)」の3項目を満たしてエントリーされたCPUクーラーのうち、写真から確認できる製品は以下の19製品です。


 既に第一回の更新で、Cooler Master製品のテスト結果が公開されており、Cooler Master製品の中では高負荷時に61.0℃を記録した『X6』が暫定1位、次点が62.0℃の『Hyper 412』となっています。

 エントリーしているCooler Master製品の中で最上位製品であるベイパーチャンバー搭載CPUクーラー『TPC 812』は、『X6』より4℃高い65℃と奮わず、暫定4位という結果に終わっています。Cooler Master製品に関しては、かなり激しく下剋上が成立していることになりますね。

 なお、記事中で純正との温度差が比較されていますが、純正クーラーは4.3GHz@+0.05V動作時のデータで、特に動作クロックが記載されていないCPUクーラーは4.6GH@+0.10V動作時の温度となっています。純正とそれ以外では条件が異なる場合がある点には注意が必要ですね。




2012年王座を予想


 どのCPUクーラーがどれくらいの結果を記録するのか楽しみなところですが、まだデータが出揃っていないうちに、どのCPUクーラーが王座を獲得するのか予想してみたいと思います。ちなみに、予想するうえでいくつか注意が必要な点がありますね。

●ファンの動作
 既に公開されているデータを見る限り、どうやらファンは回転数の制御が有効になっているようです。となると、PWM制御に対応しているようなCPUクーラーは、ファンの回転数がCPU温度などに応じて変化することになるため、高性能なヒートシンクであってもファンの回転数が上がらないため、温度がある程度上がってしまうことが考えられます。

●ベースユニットの仕様
 CPUのヒートスプレッダ形状は製品毎に傾向が異なるため、特定のCPUに特化した形状のベースユニットを備えるCPUクーラーは、それ以外のCPUと組み合わせた際にパフォーマンスが振るわないことがあります。高性能なサーマルグリスを利用すれば、その差をある程度埋めることができますが、2012年CPUクーラー王座決定戦ではAinex『PA-070』という、高性能とは言い難い製品が利用されているため、ベースユニットの仕様がCPU温度に大きく影響してくる可能性があります。

 さて、そういった点を加味したうえで、私の予想は以下のような感じになります。

◎…Thermalright『Silver Arrow SB-E Extreme』
○…Thermaltake『Frio Extreme』
▲…Phanteks『PH-TC14PE_BL』
△…Thermalright『Archon SB-E X2』


 本命はThermalright『Silver Arrow SB-E Extreme』。最高峰の性能を持つヒートシンクに、MAX2500rpmの双発140mmファン。冷却性能に限って言えばほぼ鉄板。不安要素はファン制御の具合と、Intelソケットに最適化されていると思われるベースユニットの仕様。

 対抗はThermaltake『Frio Extreme』。ヒートシンク性能は極めて優秀で、2基のファンは1,200〜1,800rpmという中〜高速回転の140mmファン。ベースユニットの仕様とファン制御の具合によっては逆転の可能性も十分にあり得る。

 単穴はPhanteks『PH-TC14PE_BL』。ヒートシンク性能は抜群だが、700〜1,200rpmという搭載ファンの速度がネック。ベースユニット仕様がマッチしたとしても逆転は微妙なところ。

 連下はThermalright『Archon SB-E X2』。ヒートシンク性能は優秀だが、搭載ファンの「TY-150」は最大1,100rpmの静音仕様「TY-141」の回転数は900〜1,300rpm。Thermalright『Silver Arrow SB-E Extreme』を上回るのは厳しい。


 とまぁ、こんなところでしょうか。最近、AMDプラットフォームでのCPUクーラーテストはあんまりやっていないので、傾向がよく分からなくて難しいです。果たして予想は当たるのか、それとも思いっきり外れるのか…。結果が出揃うのが楽しみですね。