検証環境用に購入したRadeon HD 6850搭載ビデオカード『EAH6850 DC/2DIS/1GD5/V2』のパフォーマンスを軽く検証してみました。

HD 6850 test


◆ 検証環境

 検証に使ったのは、『Core i7-2600K』とIntel P67搭載マザーボード『P8P67 REV3.0』の組み合わせです。比較対象となりえるGPUはメインPCに入っているGTX 480くらいですが、外すのがめ…常用機が一時的に使えない状態になるのは困るため、手持ちのビデオカードでは2番目に高い性能を誇ると思われる『Radeon HD 4870 X2』を利用しました。

 なお、『EAH6850 DC/2DIS/1GD5/V2』は、GPUクロックが775MHzから790MHzにオーバークロックされた製品ですので、リファレンスモデルより若干スコアは良いはずです。

 また、Radeon HD 6850は2枚差しでCrossFire X時のスコアも取得しましたが、マザーボードの仕様によりPCI Express 2.0スロットの帯域は「x16 + x4」接続となっています。x16 + x16のフルレーン接続やx8 + x8接続とのパフォーマンス差は今回測定できていませんが、多少スコアに差が生じることが考えられますので予めご了承くださいませ。

 その他のパーツ構成はこんな感じです。

CPUIntel Core i7-2600K
M/BASUS P8P67 REV3.0 [UEFI:2001]
MEMG.SKILL F3-17000CL9D-4GBXL 2セット(2GB×4)
HDDHGST Travelstar 7K320 (120GB)
PSUSilverStone SST-ST75F-P (750W/80Plus Silver)
OSWindows 7 Professional SP1 64bit
DriverCatalyst 11.9


 なお、今回のテストでは、CPU定格時と5.0GHzオーバークロック時の2回に分けてテストを行いました。あえて定格動作時とオーバークロック動作時の2回テストを行った理由は、CPUがボトルネックとなってパフォーマンスを発揮できていないテストと、そうでないテストを見分けるためです。

 CPUがボトルネックとなってGPU本来のパフォーマンスが発揮できていないベンチマークテストでは、CPU定格時と5.0GHzオーバークロック時のスコア差が大きくなり、逆にCPUがボトルネックになっていないベンチマークテストでは、CPU性能向上に伴い多少のスコア上積みがあるものの、スコア差は小さくなります。

定格時と5.0GHz時の設定は以下の通りです。

CPUクロック3.4GHz5.0GHz
Turbo Boost有効 - Max:3.8GHz無効
メモリクロックDDR3-1333DDR3-2133
メモリタイミング9-9-9-24-2T9-11-9-28-2T
CPU電圧設定Auto1.435V
Load Line CalibrationAutoExtreme
メモリ電圧1.50V1.60V
EIST有効無効
C1E有効無効




◆ ベンチ結果 〜 Futuremarkの定番ベンチ3本で比較

 今回かるーく検証したのは、Futuremarkの定番ベンチマークソフト「3DMarkシリーズ」の「3DMark06」「3DNark Vantage」「3DMark 11」です。それぞれDirectX 9、DirectX 10、DirectX 11対応の3Dゲーム系ベンチマークです。なお、比較用の『Radeon HD 4870 X2』については、DirectX 10.1までの対応となっているため、3DMark11のスコアは取得できていません。

 では早速結果を見ていきましょう。まずは3DMark06のスコアをグラフ化したものです。ベンチマークスコアは、3DMark06のデフォルト設定で取得したものとなっております。

3DM06

 リリース当時は非常にGPU負荷が高いベンチマークテストだった3DMark06も、現在のハイエンドビデオカードにとってはCPUがボトルネックとなるテストの一つとなっています。実際、今回のテスト結果でもRadeon HD 4870 X2とCrossFireX時のRadeon HD 6850は、5.0GHz時に総合スコアで24〜30%ほどスコアを伸ばしており、ビデオカードが持つ本来のパフォーマンスを発揮しきれていないことが伺えます。

 Radeon HD 6850単体のスコアについては、5.0GHz動作による総合スコアの向上は11%に留まっています。SM2.0やHDR/SM3.0のスコア向上も3〜8%程度と、CrossFire時の20〜39%に比べて少なく、定格のCore i7-2600Kでも3DMark06レベルのGPU負荷がある条件ではGPU性能を概ね引き出せているようです。



 続いて、DirectX 10世代の3DMark Vantageの結果です。ベンチマークスコアはPerformanceプリセットで取得したものです。

3DMV

 3DMark VantageのPerformanceプリセットは、現在でも比較的GPU負荷の高いベンチマークテストの一つです。最上級のGPUを使った場合にCPUがボトルネックになりつつありますが、今回のテスト結果では5.0GHz時に最もスコアが向上したRadeon HD 6850のCrossFireXでも総合スコア向上率は約10%、Graphicsスコアについてはいずれも2.5%程度のスコアアップに留まっています。

 Radeon HD 6850の単体時とCrossFireX時のスコアを比較して面白いのは、3DMark06では最もCrossFireXの効果がスコアに反映されていたHDR/SM3.0スコアで約50%(5.0GHz時)のスコアアップだったのに対し、3DMark Vantageでは総合スコアでおよそ56〜60%、Graphicsスコアでは約75%もの差がついていることです。ソフトとの相性もありますが、基本的にGPU負荷が高くなればなるほど、CPU等のボトルネックが影響しなくなってくるため、



 3D系ベンチマークの最後は、最新のDirectX 11対応の3DMark11です。ベンチマークスコアはPerformanceプリセットで取得しました。

3DM11

 最新世代の3DMarkということで、現在最上位のグラフィックカードでもCPU性能が大したボトルネックにならないほどGPU負荷の高いベンチマークテストとなっています。今回のテスト結果でも、CPUテストのスコアである「Physics」以外、CPUを5.0GHzによるパフォーマンス向上は5%未満に留まっています。

 CPU性能がボトルネックにならないほどGPU負荷が高いテストということで、CrossFireX時の性能向上は今回行ったテストの中ではもっとも大きく、総合スコアで約80%、Graphicsスコアではおよそ93〜97%もスコアが向上しています。2つのGPUを搭載していることを考えれば、このスコア向上率はかなり理想的なものと言えますね。




◆ 消費電力比較

 各条件のアイドル時消費電力とOCCTでGPU負荷を掛けた際の消費電力を、サンワサプライの『ワットモニター』で測定した結果を比較してみました。ワットモニターの仕様上、100W以下の消費電力については小数第一位まで測定しています。

 なお、OCCTのGPU負荷設定は、CrossFireX構成でも最大限の負荷を掛けられるよう、解像度1920×1080でShader Complexityを8に設定し、フルスクリーンで負荷を掛けています。ちなみにOCCTのバージョンはv3.1.0です。

消費電力

 負荷時には、ここまでのベンチマークテストで最もスコアが優秀だったRadeon HD 6850 CrossFireXがRadeon HD 4870 X2を35Wほど下回り、単体時のCPU定格動作時にはRadeon HD 4870 X2の半分以下の消費電力となっています。この結果から、HD 4000シリーズとHD 6000シリーズではシリーズ上2世代の間で、かなりワットパフォーマンスが向上したことが確認できますね。

 また、Radeon HD 6850はピーク時の消費電力低下だけでなく、アイドル時の消費電力もかなり低く抑えられており、Radeon HD 6850のCrossFireX時とRadeon HD 4870 X2のアイドル時消費電力には40W以上もの差がついています。Radeon HD 6850単体時とCrossFire時の結果を比較すると、アイドル時消費電力の差は15W〜17W程度となっており、アイドル時にはビデオカード1枚で20W以下にまで消費電力がカットされているようです。


◆ まとめ 〜 消費電力とパフォーマンスのバランスはいい感じ 〜

 今回のテストを見る限りでは、Radeon HD 6850単体ではCore i7-2600Kが足を引っ張るシーンは少なく、CPU性能とGPU性能、そして消費電力のバランスが取れた良い組み合わせなのかもしれません。思っていたよりRadeon HD 4870 X2のスコアが良かったことに少々驚きましたが、それを上回りながらもより低い消費電力で動作するというRadeon HD 6850 CrossFireX時の結果は流石といったところです。

 より詳しい検証結果はそのうちサイトの方に掲載する予定ですが、10月31日になって公開されたCatalyst 11.10でスコアを取り直しているので、まだまだ時間がかかりそうです。まぁ、最新製品の検証というわけでもないので、ゆっくり気長にお待ちいただければと思います。




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