Thermalrightは見た目が美しく性能も高いCPUクーラーをラインナップしているので、個人的には好きなメーカーのひとつなのですが、Thermalright自身が仕様と謳う接地面の凸面と、リテンションで固定してもヒートシンクがくるくる動いてしまう点が気になる方も少なくないかと思います。

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 というわけで、今回はThermalright製CPUクーラーが固定しても動くという現象について考えてみたいと思います。

…まぁ、これ、Twitterで今朝方つぶやいていたネタですね。やや言葉足らずというか説明ベタなところがあったようなので、図と写真に頼りながら再説明ということで。
◆ Thermalright製CPUクーラーのベース部は基本的に一点固定

 さて、Thermalright製CPUクーラーがちゃんと固定したはずなのに動くのは何故なのでしょう。

動きやすい要因の一つにThermalrightが仕様と謳う、凸面になった接地面があるのは確かです。ただ、根本的な原因はThermalright製CPUクーラーのベース部とリテンションの接触点が1点しか用意されていないことにあります。

図1


 上の図ではThermalright『Venomous X』とProlimatech『Megahalems』のベース部とリテンションの接触点を並べて比較してみました。『Venomous X』には中心に1点の接触点、対する『Megahalems』には2点の接触点が用意されているのがおわかり頂けるかと思います。

図中に説明を入れていますが、『Venomous X』のように1点でしか固定しない場合、回転方向の力が加わるとリテンションとベース部、そして接地面とCPU間の摩擦以外回転方向の力を阻害するものがありません。ベースが凸面であれば接地面とCPU間の接地面積が少なくなるため摩擦も弱くなり、ヒートシンクがくるくる動きやすくなってしまいます。

それに対し、『Megahalems』のように2点で固定するタイプのリテンションでは接触点が軸にならず、回転方向の力を摩擦に頼らずリテンションで抑えることが可能なため、1点止めのようにくるくる動くことはありません。この場合、接地面-CPU間の摩擦力は関係がないため、接地面が凸面であってもCPUクーラーがくるくる動くことはありません。

 まぁ二点止めが全く動かないかと言えば、固定しているベース側の凹とリテンション側の凸のサイズ差ぶんは動くこともあるでしょう。また、ベース面とCPUがほぼ密着状態になれば摩擦が強くなりますから、CPUとベース面を研磨することで回転方向の力に強くなる事はあると思われます。

図2




◆ おまけ ~ Venomous Xの荷重可変リテンションの話 ~

 先ほど1点固定の例として紹介した『Venomous X』ですが、同梱されているIntel向けの荷重調整機能付きリテンションは、実は完全に1点固定という訳でもありません。

下の写真のように、ヒートシンクを押さえつける金属バー自体がベース部の形状に合わせて曲げられており、これが当たっていればくるくる回るという現象は発生しません。

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 が、実はこの荷重調整機能付きリテンションは、最大まで荷重を掛ける(=荷重調整ネジを回しきる)と金属バー自体がたわんでしまうため、金属バーでベース部が固定できない状態になってしまいます。

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▲ 左:荷重調整ネジ解放 右:最大荷重


 まぁ、ほどほどにしておけばいいという話なのですが、荷重調整で強い圧力を掛けたいと思っておられる方は気にとめておいても良いかと思います。ちなみに、金属バーが当たっている状態の写真は、荷重調整ネジをほぼ解放した状態のものなので、荷重調整ネジを使うと金属バーがたわんで浮き上がるのは仕様なのでしょうね。



◆ 追記(補足記事の補足)~ ここで言う1点止め・2点止めとは ~

 この記事の前半、している中で「1点止め」や「2点止め」と紹介していますが、これはベースの凹にリテンションの凸が嵌まっている点のことです。

 例えば初代『TRue Black 120』の付属リテンションをみてみると、金具の中心に突起があるのが確認できます。この部分が取り付け時にこの突起がベース側の凹に嵌まり、それによりX軸・Y軸方向にCPUクーラーがずれないよう固定されます。

『TRue Black 120』にはこの凹凸が一点しか用意されていない一点止めのため、回転方向に力が加わった場合、リテンションの突起がそれを止めることができずくるくる回ってしまいます。このあたりは記事前半で説明したとおりです。

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図3


 実際、TRue Black 120を固定すると下記の写真のようになります。中心部の突起が埋まっているのが確認できるかと思います。

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