空冷CPUクーラーとしての常識を覆す素敵な性能を持つ『T-Shooter』を改造し、ドライアイス+エタノール冷却に対応させた『T-Shooter Mod Extreme』。廃品利用などと言われつつ、極冷OCにチャレンジした『T-Shooter』2台の記録を報告したいと思います。

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◆ 穴を塞いだだけの試作1号機と、AMDソケット対応版の試作2号機

 『T-Shooter』は本体の下方に吸気用の穴があいているため、そのままではエタノールなどの液体を注ぐ事が出来ません。その穴をアルミテープやカプトンテープ、金属用パテなどを使って埋めたのが『T-Shooter Mod Extreme』という訳です。

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 最初にカスタマイズした物は、単に穴を塞いだだけでしたが、もう一個の方はCoolerMasterの『V10』に付属していたAMD環境用リテンションを取り付けられるよう、T-Shooter本体にネジ穴をあけています。これにより、『T-Shooter Mod Extreme II』はIntelのLGA 775/1156/1366に加え、AMDのSocket 774/939/940/AM2/AM2+/AM3へ取り付けることが可能となっています。

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◆ ハイクロック 〜 最高クロックは6.0GHzを突破! 〜

 『T-Shooter Mod Extreme』で極冷OCにチャレンジしたCPUは、『Core 2 Extreme QX9650(LGA 775)』、『Core 2 Duo E8400(LGA 775)』、『Pentium 4 631(LGA 775)』、『Pentium G6950(LGA 1156)』のIntel製CPU4つと、『Phenom II X4 955 Black Edition』の計5つでした。

『Core 2 Extreme QX9650』と『Pentium G6950』の結果については既にブログに掲載していますが、改めてここに結果を並べて行きたいと思います。まずご紹介させて頂くのは、各CPUで記録した最高クロックです。(Pentium G6950に関しては空冷の記録を上回れなかったため、バリデーションをとっていませんでした。)

QX9650
▲ Intel Core 2 Extreme QX9650 5300.1 MHz(+76.7% OC)


E8400
▲ Intel Core 2 Duo E8400 4908.2 MHz(+63.6% OC)


Pen4
▲ Intel Pentium 4 631 6135.2 MHz(+104.5% OC)


X4 955
▲ AMD Phenom II X4 955 Black Edition 5000.3 MHz(+56.3% OC)


 今回極冷OCにチャレンジした5つのCPUのうち、『Pentium G6950』と『Core 2 Duo E5400』を除く3つのCPUで、当初の目標だった5.0GHz以上のクロックに達することができました。中でも『Pentium 4 631』に関しては6.0GHzの壁を破って6.135GHzというクロックを記録することが出来ました。

OC耐性に定評のあった古いCPUでの記録ではありますが、『T-Shooter』で6.0GHz以上のクロックを見ることが出来たことには、意味があるのではないかと思います。(ネタ的な意味で)



◆ Super PI 1M 〜 最高クロックは5.7GHz、最高タイムは9.204秒 〜

 続いて、Super PI 1Mのスコアを紹介します。

QX9650-5148PI
▲ Intel Core 2 Extreme QX9650 5148.4 MHz(9.204 秒)


E8400-4836PI
▲ Intel Core 2 Duo E8400 4836.1 MHz(9.719 秒)


P4-5700PI
▲ Intel Pentium 4 631 5700.2 MHz(33.719 秒)


G6950-4700PI
▲ Intel Pentium G9650 4704.2 MHz(10.172 秒)


955-4600PI
▲ AMD Phenom II X4 955 Black Edition 4600.1 MHz(15.475 秒)


 Super PIのタイムとしては、約5.15GHzというクロックで完走させることのできた『Core 2 Extreme QX9650』が最速の9.204秒を記録しています。動作クロックだけなら5.7GHzで完走した『Pentium 4 631』がトップですが、こちらはタイムが遅いですね〜。5.4GHzで完走した際には25.110秒だったのですが、クロックが上がってスコアが下がってしまいました(汗

 なお、Intel環境の方では何故か調子が悪く動かなかった『Radeon HD 4870 X2』ですが、AMD環境の方では動作してくれたので、全コア4.5GHzにOCした『Phenom II X4 955 Black Edition』で3DMark06を完走させることも出来ました。

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◆ まとめ 〜 ネタとしては十分な結果を残したT-Shooter Mod Extreme 〜

 当初は、なんとか5.0GHzを超えるクロックまでオーバークロックしてみたいと思ってカスタムした『T-Shooter Mod Extreme』でしたが、5.0GHzどころか6.0GHzをも上回るところまでオーバークロック出来た事に驚きです。ネタCPUクーラーをさらにネタCPUクーラー化しようという計画の結果としては、申し分ない記録が残せたと思います。『T-Shooter』での記録としては、今回の記録がワールドレコードですからね(笑

 今回はドライアイス+エタノールを使っての冷却でしたが、スティッカムの配信でちょっと話題が出たLN2については、ドライアイスと違って簡単に入手できるものではないのでいつになるかわかりませんが、機会があればやってみたいと思っています。LN2冷却でさらなる高みを目指す事が出来るのか、それとも『T-Shooter Mod Extreme』が壊れるのか…あまり期待せずにお待ちいただければ幸いです。

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