2009年09月19日

 全高を低くする事で周辺冷却性能の向上を図ったという、Scythe製トップフロー型CPUクーラー『ZIPANG 2』のファーストインプレッションです。2008年に発売された『ZIPANG』の後継モデルとなる『ZIPANG 2』のスペックや外観の特徴について紹介していきます。

ZIPANG 2




◆ サイズ曰く超静音志向のトップフロー型CPUクーラー

 Scythe『ZIPANG 2』は、Φ140mmファンの『風丸』を搭載した大型のトップフロー型CPUクーラーで、サイズオリジナルCPUクーラーの中では、全高の低いトップフロー型CPUクーラーとして2008年に発売された『ZIPNAG』の後継モデルに当たる製品となっています。

 標準ファンとして搭載されているΦ140mmファンは、回転数は1000rpm@22.74dBAの静音モデルとなっており、サイズは『ZIPANG 2』を超静音志向トップフロー型CPUクーラーとしています。

ZIPANG2 スペック表



◆ 放熱部には多重エアフロー透過構造『M.A.P.S.』を採用

 最近はヒートパイプ直接接地型のベース面を採用するメーカーが増えてきていますが、近年登場しているサイズオリジナルデザイン採用のCPUクーラーの多くは、フラットなベース部に鏡面めっき処理を施した製品が多く、『ZIPNAG 2』のベース面もめっき処理による鏡面仕上げとなっています。

ベース面
▲ ベース面はめっき処理により鏡面仕上げとなっている。



 初代『ZIPANG』では、ベース面の両側から伸びたヒートパイプを段違いで放熱部に接続する「UPHC」(Uneven Parallel Heatpipe Construction)を採用していましたが、『ZIPANG 2』ではこの方式は廃され、ヒートパイプはベース面の片側から放熱部に接続されています。

ベース部から伸びる6本の6mm径ヒートパイプは、ベース部から出た直後に大きく曲げられており、ノースブリッジやメモリなどの周辺パーツとの干渉への対策が施されています。

左が『ZIPANG 2』、右が『ZIPANG』
▲ 左が『ZIPANG 2』、右が初代『ZIPANG』

ヒートパイプの形状
▲ 周辺パーツとの干渉緩和の為、大きく曲げられたヒートパイプ



 放熱部には『KABUTO』や『MUGEN∞2』と同じく、サイズが多重エアフロー透過構造「M.A.P.S.」(Multiple Airflow Pass-through Structure)と呼ぶ、ヒートパイプ毎にブロック分けされた放熱フィンが採用されています。厳密に言えば、放熱部の形状を保つために隣り合ったブロックと接続されたフィンや全てのブロックを接続しているフィンもあるので、各ブロックが完全に独立しているという訳ではありませんが、接続部の面積は非常に小さいので、ヒートパイプ1本に1ブロックの放熱フィン群が割り当てられた構造と言っても良さそうです。

 ちなみに、1列の放熱フィン枚数は68枚で、そのうち全ヒートパイプと接続されているものが12枚。残りの56枚は隣り合ったブロックと接続されているので、私の数え間違いがなければ「56(枚)×3(ブロック)+12(枚)=180(枚)」という訳で、『ZIPANG 2』の放熱部は全180枚の放熱フィンによって構築されている事になります。

放熱フィン形状-2-
▲ 放熱部は6ブロックの放熱フィン群で構成されている。

放熱フィン形状-1-
▲ 放熱フィン枚数は(数え間違っていなければ)180枚



 サイズが「ワイド・ロープロファイル化を図った」と語るように、『ZIPANG 2』は全高の低さも製品としての重要ポイントとなっています。25mm厚ファン搭載時で 105mm という全高はロープロファイルと呼ぶには些か高いものの、同じくサイズ製トップフロー型CPUクーラー『KABUTO』の 132mm より30mm近くも低く、初代『ZIPANG』の 112mm よりも多少低くなっています。

KABUTOとの高さ比較
▲ 『KABUTO』との高さ比較

初代ZIPANGとの高さ比較
▲ 『ZIPANG』との高さ比較



 『ZIPANG 2』のオリジナルファンは、サイズが「風丸」という製品名で単品販売を行っているラウンドフレームを採用したΦ140mmファンと同型のもので、単品販売されている「風丸」にはラインナップされていない回転数1000rpmの『ZIPANG 2』専用モデルとなっています。ヒートシンク的には低速ファンでも高速ファンでもそれに見合った性能を発揮できると謳う「ワイドレンジRPM設計」が採用されている『ZIPANG 2』を、サイズが超静音志向トップフロー型CPUクーラーと呼ぶ理由は、このオリジナルファンに因るところが大きいようです。

 ちなみにこのオリジナルファン、スペック的には『1000rpm/51.43 CFM/22.74 dBA』とされており、実は初代ZIPANGに付属していた139mm角ファンの『1000rpm/51.82 CFM/21.00 dBA』よりも風量・騒音値的にも若干ではあるものの劣るという代物だったりします。まぁ、別に大差が付いている訳ではないので、特に気にする程ではありませんが。

オリジナルファン
▲ オリジナルファン『風丸 (1000rpm)』搭載時



 『ZIPANG 2』では、ファンの固定方法には金属製クリップを採用しているのですが、既存のサイズオリジナルデザイン採用CPUクーラーとは異なるタイプのクリップが採用されています。これは金属クリップの取り付け位置が従来のオリジナルデザイン採用CPUクーラーとは多少異なっている事が原因のようで、従来のファンクリップだと取り付けが不可能ではないものの、多少引っ張って取り付ける必要があるとの事です。

 もっとも、『ZIPANG 2』標準の金属クリップでリブ無タイプの120mm角ファンは取り付け可能なので、リブ有タイプの120mm角25mm厚ファンを取り付ける必要のない場合は別に単品販売されているクリップを購入する必要はありません。

ファン固定クリップ
▲ ZIPANG 2用のファン固定クリップ



 個人的に残念なのは、『ZIPANG 2』ではオリジナルファンにネジ穴位置が120mm角ファンと互換性のある「風丸」が採用された事により、標準のファン固定クリップが120mm角ファン専用となってしまった事です。

 初代『ZIPANG』は標準ファンクリップが140mm角ファン用のみでしたが、120mm角ファン用のクリップは別途購入可能だったのですが、現状140mm角ファン取り付け用クリップの単品販売は行われていない為、『ZIPANG 2』は140mm角ファンを搭載出来るヒートシンク形状をしていながら、140mm角ファンを取り付けるには『ZIPANG』のクリップを流用するか、固定クリップを自作するしかありません。140mm角ファンのラインナップはそれほど豊富ではないものの、ファン選択の余地が狭まってしまったのはちょっと残念です。

140mmファン搭載時
▲ 『ZIPANG』のファンクリップで140mm角ファンを取り付け



 『ZIPANG 2』は、マザーボード固定用クリップをワンタッチで交換出来るサイズ独自規格の「VTMS」(Versatile Tool-Free Multiplatform System)を採用しており、各ソケットの固定方法は、IntelのLGA 775/1366/1156環境がプッシュピン方式、AMD環境とSocket 478はクリップ方式を採用しています。

 「VTMS」を採用しているCPUクーラーは、ベース部の側面にリテンションを取り付ける形状の為、CPUクーラー用の取り付け穴が正方形に配置されているIntelのLGA系ソケットを除き、物理干渉以外の理由で取り付け方向が制限される場合がありますが、サイズのもう一つの独自規格「4WAYクリップ方式」よりもAMD用クリップが取り付け易いので、個人的にはこちらの方が良い印象があります。

リテンション
▲ 独自規格「VTMS」に対応。ワンタッチでリテンションの交換が可能




◆ まとめ 〜 コストパフォーマンスに注目のトップフロー型CPUクーラー 〜

 現時点で『ZIPANG 2』の実売価格は4,000円前後となっており、安いショップでは3,000円台前半で購入する事も可能となっています。周辺パーツとの干渉に注意は必要なものの、単品販売されているCPUクーラーとしては比較的安価な部類に入る製品なので、これに冷却性能が伴うのであればコストパフォーマンス的に十分魅力的な選択肢になり得るかと思います。

 一応現時点で検証済みの結果について少し触れておくと、初代『ZIPANG』と比較した場合特に低速ファンと組み合わせた際の冷却性能が向上している感じです。冷却性能検証結果については近日中に記事に出来るかと思いますので、『ZIPANG 2』の冷却性能が気になられる方は今しばらくお待ちくださいませ。




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コメント一覧

1. Posted by よよよ   2009年09月22日 03:08
はじめまして、よく参考にさせてもらってます。

自作パソコンに手をつけ始めて2年ほどですが、
CPUクーラーて完成品なのに図面を見ているようで面白いですよね。
値段もほかのパーツに比べて高くなのでついつい買ってしまいます。

ところで表の形状欄が「サイドフロー」となっていますが。。
2. Posted by 瀬文茶   2009年09月22日 03:37
>>よよよ さん
>ところで表の形状欄が「サイドフロー」となっていますが。。
ご指摘ありがとうございます。修正させて頂きました。

空冷CPUクーラーは、大半が1万円以下で購入出来ますから買いやすいですよね。
でも、よくよく見るとローエンドCPUの方が安かったり。(汗

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