8mm径のヒートパイプ4本がCPUに直接接地する「ダイレクトタッチ ヒートパイプ テクノロジー」を採用した、TITAN製サイドフロー型CPUクーラー『FENRIR』のレビュー第一弾です。今回はファーストインプレッションという事で、『FNRIR』の外観写真やスペックについて紹介していきます。

FENRIR


◆ 基本スペック 〜 TDP 160W対応を謳う大型CPUクーラー 〜

 『FENRIR』(型番:TTC-NK85TZ-RB)は、TDP 160W対応を謳うTITAN製の大型サイドフロー型CPUクーラーで、TITAN製空冷CPUクーラーの中でも特に高い冷却性能を持つ同社のハイエンドCPUクーラーです。

 現状でコンシューマ向けに発売されているCPUには、『FENRIR』が対応を謳うTDP 160Wの製品は存在していませんが、TITANによれば、これはオーバークロック動作時の発熱を見越して設定されたスペックとされています。取り付けさえ可能なら、既存のCPUは余裕を持って冷却する事が出来るTDP 160Wというスペックは、『FENRIR』の冷却性能に対する自信の高さを伺う事が出来るスペックと言えるでしょう。

スペック

同梱パーツ一覧





◆ 外観写真集 〜 かなり大型のヒートシンク 〜

 『FENRIR』の特徴である「ダイレクトタッチ ヒートパイプ テクノロジー」は、競合他社が「H.D.T.」や「D.H.T.S.」などと呼んでいる技術と同じく、ヒートパイプがCPUに直接接地するようなベース面を採用している事を示しています。

 『FENRIR』のベース部は、8mm径のヒートパイプ4本と、それを固定するアルミ製ベースによって構成されており、接地面は実測で49mm×35mmと長方形になっています。なお、ベース面に鏡面加工は施されておらず、他のヒートパイプ直接接地式CPUクーラーと同じくく、フライスで仕上げたような表面となっています。

DHT+Φ8mmヒートパイプ
▲ FENRIRの特徴である8mm径のヒートパイプとベース面

ベース面
▲ ベース表面は恐らくフライス仕上げ


 『FENRIR』はベース部でヒートパイプが受け取った熱を、50枚の大型フィンで放熱する構造となっています。全50枚の放熱フィンは全て同一の形状をしており、TITANのロゴマークと模様が凹凸で描かれていますが、冷却性能を向上させる目的で凹凸加工がされている訳ではなさそうです。ちなみに、FENRIRのロゴは最上段のフィンにのみ描かれているようです。

放熱フィン
▲ 放熱フィン数は全50枚

放熱フィン形状
▲ 放熱フィン1枚辺りの表面積はかなり大きめ



 『FENRIR』の全高は156mmで、120mm角ファンに対応したサイドフロー型CPUクーラーに多い160mm前後より若干低めとなっています。人気どころの大型のサイドフロー型CPUクーラーが取り付け可能なケースであれば、CPUクーラーの高さによる干渉が発生する確率は低そうです。

高さ比較(TRue Black 120)
▲ 『TRue Black 120』との高さ比較

高さ比較(KABUTO)
▲ 『KABUTO』との高さ比較



 『FENRIR』には、PWM制御に対応した120mm角25mm厚のファンが同梱されています。このオリジナルファンは、PWM制御により回転数を800〜2200rpm(風量:33.2〜78.4 CFM)の範囲で調節することが可能で、騒音値は最小で17.2dBA、最大で39.0dBAとされています。回転数と騒音値の割に、最大風量はやや物足りなく感じるものの、低速から高速まで幅広くサポートしているオリジナルファンは、オーバークロック環境での使用も想定した『FENRIR』に相応しいファンであると言えますね。

 なお、『FENRIR』には抵抗入りの4pin-3pin変換ケーブルが付属しており、この変換ケーブルを利用する事で、オリジナルファンのPWM制御を無効にし、回転数を約1300rpm(騒音値:26.0dBA)に固定して利用する事も可能となっています。

オリジナルファン
▲ 7枚羽根のオリジナルファン

抵抗入り4pin-3pin変換ケーブル
▲ 同梱の4pin-3pin変換ケーブル


 『FENRIR』本体へのファンの取り付けは、付属の金属製クリップを使って行う仕様となっており、オリジナルファン以外でも"リブ無しタイプの120mm角ファン"であれば取り付け可能となっています。リテンションの仕様上、ヒートシンクをマザーボードへ固定した後でファンを取り付ける必要がありますが、『BARAM』のように放熱フィンが鋭利という訳でもないので、他のサイドフロー型CPUクーラーと比較して特に取り付けづらいという事はないかと思います。

ファンクリップ
▲ リブ無タイプの120mm角ファンを取り付け可能

ファン取り付け時
▲ オリジナルファン取り付け時



 マザーボードへの固定方法は、Intel・AMD環境共にバックプレートを利用したネジ止め方式を採用しています。ヒートシンク側に取り付けるリテンションは全ソケット共通となっていますが、バックプレートに関しては、IntelのLGA 1366専用のネジ付きバックプレートと、それ以外のソケット共用のバックプレートの2種類が用意されています。

 各ソケット毎に若干取り付け方法が異なるものの、最終的にはマザーボード表面側から付属のナットを使ってヒートシンクを固定する仕様となっているのですが、最後の締め付けを行うナットは、ドライバで締めあげる為の溝が彫られていない手締め専用のナットとなっています。その為、チップセットやVRM用に大形のヒートシンクを備えているマザーボードへの取り付けに多少手間取る可能性がありますが、リテンションの仕様上、ナットが放熱フィンの直下に来る事はないので、対角締めさえ意識していれば取り付けの難易度は高くありません。

共通リテンション
▲ 全ソケット共通タイプのリテンション

バックプレート(1366)
▲ LGA 1366専用バックプレート

バックプレート(775) バックプレート(AMD面)
▲ 表裏で対応ソケットを使い分ける、LGA 775/AMD環境共用バックプレート。

IMG_8667
▲ 手締め専用のナット。手締めなので締めすぎてネジ切る心配はない…はず。





◆ まとめ 〜 目立った欠点は特になし? 〜

 『FENRIR』の冷却性能抜きでのファーストインプレッションとしては、良くも悪くも"普通"なサイドフロー型CPUクーラーと言ったところでしょうか。取り付け方法が斬新で極めて取り付け易い訳でもなく、特に取り付けづらい訳でもないですし、ベース面を含め加工精度が極端に良い訳でも悪い訳でもないので、個人的には冷却性能抜きで長所や短所を見つけるのが難しい製品です。敢えて長所と短所を挙げるとすれば、長所は取り付け方法にクセが無く、ファンも回転数をワイドレンジに制御出来るものが付属しているので、ユーザー側に求められるスキル・労力が比較的少ない点。短所としては、間もなく登場するIntelのLGA 1156環境に対応していない点を挙げておきます。

 取り扱いに関しては特に欠点の無い製品と言えるので、これに冷却性能が伴うか否かで『FENRIR』の評価が大きく変わる事になりそうです。




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