発売からもう2週間近くが経過したにも関わらず、『Phenom II X4 940 Black Edition』の検証がなかなか進まないので、場つなぎに没ネタになる予定だった各動作クロックでのパフォーマンス比較を紹介します。


Phenom II


ちなみに、没ネタにしようとしていた理由は、メモリレイテンシの設定を忘れていたためです。(汗


◆ 検証環境


 今回の検証環境は以下の通りです。なお、メインメモリに利用している「Team Xtreem Dark PC2-8500」の正規のスペックは「DDR2-1066 CL5-5-5-15」ですが、今回の検証ではレイテンシの設定を忘れていた為「DDR2-1066 CL5-7-7-24」となっています。


検証環境





◆ 3DMark06


 まずは3D描画性能比較用ベンチマークとしてお馴染みの「Futuremark 3DMark06」におけるパフォーマンス比較から紹介します。


3DMark06


 今回の検証環境には、2008年最速のビデオカードだった『Radeon HD 4870 X2』を搭載しているので、「3DMark06」のデフォルト設定ではCPUクロックによるスコアの変動が非常に大きくなっています。各スコアとクロックの関係を示したグラフにしてみると、スコアがクロックに比例している向上している事がわかります。


3DMarks

SM2.0

SM3.0/HDR

CPU Score


 0.8GHz〜3.6GHzまでスコアとクロックが比例している事や、4.0GHzにOCした『Core 2 Extreme QX9650』を使って行った以前の検証でのスコアを考えると、最高クロックの3.6GHzでもCPUが足を引っ張ってしまっているようですが、OC耐性の高い『Phenom II X4 940 Black Edition』なら更に動作クロックを上げる事で『Radeon HD 4870 X2』のパフォーマンスをより引き出せる可能性はありそうです。




◆ Super PI 104万桁


 続いては、シングルスレッドでの演算性能が問われる「Super PI Mod 1.5 XS」で104万桁の円周率を計算するのにかかった時間を比較してみました。


Super PI

Super PI-2


 「Super PI」と言えば、世界中のオーバークロッカーの方々がタイムを競いあうベンチマークソフトであり、「Intel Core 2 Processor」の十八番ベンチマークソフトでもあります。

「Phenom II X4」の競合製品となる「Core 2 Quad(Yorkfieldコア)」が2.5GHz程度でも20秒を切っている事を考えると、3.6GHzまでオーバークロックを施しても20秒の壁を破れていない『Phenom II X4 940 Black Edition』では、如何に高いOC耐性があるとは言え、「Phenom II Processor」が「Intel Core 2 Processor」が記録しているSuper PIのワールドレコードを上回るのは厳しそうですね。

ちなみに、「OCWRDB」に登録されているAMDのSuper PI 1Mのタイムを見た感じだと、10秒を切るのがAMD製CPUの当面の目標と言った感じですね。




◆ Windows Media Encoder 9


 最後に「Windows Media Encoder 9」を使って動画をエンコードした際にかかる時間を比較してみました。なお、検証に利用したのはこの動画の元ファイル(1920×1080 30fps MPEG2-32Mbps)です。


WME9

WME9-2



 このブログでこれまで行ってきた検証とは異なる動画をエンコードしているので、過去のデータと比較が出来ないのですが、『Core 2 Extreme QX9650』が45秒の動画を処理するのに178秒かかっていた事を考えると、60秒の動画を197秒で処理出来る『Phenom II X4 940 Black Edition』ならいい勝負が出来るのではないかと期待してしまいます。(早く検証しないと…

 余談ですが、「Windows Media Encoder 9」でのエンコードにかかった時間と動作クロックの関係をグラフ化してみると、動作クロックと処理時間の関係が「Super PI」での比較結果に非常によく似ている事がわかります。いつもと違うグラフを作ってみると普段見えてこないような傾向が見えて面白いですね。




◆ まとめ 〜 3.6GHzまではあっさりOC出来ましたが… 〜


 本当なら4.0GHzまでOCした結果をご紹介したかったところなのですが、単に電圧を上げただけでは4.0GHzまで到達する事が出来なかったので、今回は定格+0.1Vの昇圧で安定動作していた3.6GHzが最高設定の検証となりました。もっと設定を詰めて冷却を強化すればいけるのかもしれませんが、私の感覚だとCPUのOC耐性が限界に達しているのではないような気がします。

 以前あるオーバークロッカーの方に、Intel環境と比較してAMDのマザーボードは電源回路が弱いという話をお聞きした事がありますが、今回の検証でOCを行ってみた感覚だと確かにそちらにも問題があるような気がします。マザーボードの電源回路が原因と断言できるわけではありませんが、『Phenom II X4 940 Black Edition』でガッツリOCしようと考えて居られるのであれば、マザーボード選びは慎重に行った方が良いかもしれません。





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