最近では最新のGPUには動画再生支援機能が搭載されているのは当たり前、ローエンドGPUやIGPはコストに対する3D描画能力以上に、高機能な動画再生支援機能を有している事が重要なポイントとなってきています。


動画再生支援機能の効果を検証(NVIDIA編)


 非常に重要視されている動画再生支援機能ですが、対応アプリケーションで対応している形式の動画コンテンツを再生しなければ効果がなかったり、各GPUごとにどの程度CPU負荷を低減出来るのかなど、注目されている割には詳細な情報に乏しい気がします。

 そんな訳で今回は、手持ちのNVIDIA製GPUを使って数種類の動画コンテンツを再生した場合、どの程度CPU負荷を軽減する事が出来るのか各GPU毎に検証してみました。なお、この分野のレビューは苦手なのでご意見募集中です。


◆ 検証環境


 記事の冒頭でも触れたとおり、動画再生支援機能を利用する際にハードウェア以外で、GPUの動画再生支援機能に対応した再生ソフトウェアと動画コンテンツが必要になります。今回の検証では、ペガシスの『TMPGEnc 4.0 XPress』(⇒試用版あり)でエンコードした動画を、CyberLinkの『PowerDVD 8 Ultra』(⇒試用版あり)で再生中のCPU使用率を『NT-CPU モニタ v1.46a』で記録した結果を比較しました。

今回比較を行った各ビデオカードのスペックと検証環境、検証用動画のエンコード設定は以下の通りとなっています。


GPUスペック

検証用動画コンテンツ

検証環境





◆ MPEG2 1920×1080 10Mbps(CBR)


 まずは今回検証用にエンコードした動画コンテンツの中では最も再生時の負荷が少ない"MPEG2-10Mbps"の検証結果から紹介します。


MEPG2-10-CPU使用率推移

MEPG2-10-CPU使用率・平均

MEPG2-10-CPU負荷低下率


 "MPEG2-10Mbps"再生時の負荷は、1.2GHzにアンダークロックされた『Celeron Dual-Core E1200』のみで再生を行ったとしても、CPU使用率が平均で36.3%と大した負荷ではないのですが、動画再生支援機能を利用する事でCPU使用率を13〜15%前後まで引き下げる事が出来ており、再生支援機能が有効である事を確認できます。

 各GPUの動画再生支援機能を利用した際のCPU使用率を見ていくと、最も効果があったのはローエンドの『GeForce 8500 GT』で、逆に最も効果が薄かったのはハイエンドの『GeForce 8800 GTS』となっています。とは言っても、せいぜい1〜2パーセント程度の差しか付いていないので、誤差の範囲と考えても良いかも知れませんね。




◆ MPEG2 1920×1080 80Mbps(CBR)


 続いて、MPEG2形式では最も高いビットレートでエンコードした"MPEG2-80Mbps"の検証結果です。


MEPG2-80-CPU使用率推移

MEPG2-80-CPU使用率・平均

MEPG2-80-CPU負荷低下率


 ここでもCPU単体で再生した場合に比べ、各GPUの動画再生支援機能を利用する事によりCPU負荷が軽減されていますが、CPU単体時の約40%程度にまでCPU負荷を軽減できていた"MPEG2-10Mbps"再生時とは違い、"MPEG2-80Mbps"再生時はCPU単体時の約60〜70%程度と軽減できる割合が減少しています。

 また、各GPU毎のCPU使用率を見ていくと、"MPEG2-10Mbps"再生時は最も効果の少なかった『GeForce 8800 GTS』が逆に最も高い効果を上げています。測定方法が手探り状態で考えたものなので、どの程度までを誤差の範囲内と捉えて良いのか難しい所です。

少なくとも、"MPEG2-80Mbps"の検証結果から言えるのは、同一形式の動画でもビットレートが上がるにつれて動画再生支援機能で軽減できるCPU負荷は減少していくと言うことぐらいですね。




◆ BDMV(MPEG2) 1920×1080 32Mbps(CBR)


 続いては、『TMPGEnc 4.0 XPress』にBlu-ray Disc用形式として用意されているBDMV 32Mbps(CBR)設定でエンコードした動画を再生した際のCPU負荷検証結果です。


BDMV-CPU使用率推移

BDMV-CPU使用率・平均

BDMV-CPU負荷低下率


 "BDMV 32Mbps"はMPEG2形式で圧縮された動画コンテンツなので、傾向としては先に紹介した"MPEG2-10Mbps"と"MPEG2-80Mbps"に近く、動画再生支援機能利用時のCPU負荷軽減率もちょうど中間程度となっています。




◆ WMV9 1920×1080 20Mbps(CBR)


 最後に紹介するのが、Windows Media Video 9形式で圧縮した動画コンテンツ再生時の検証結果です。


WMV-CPU使用率推移

WMV-CPU使用率・平均

WMV-負荷低下率


 これまでの検証では多少に効果の多少に関わらず、動画再生支援機能によりCPU負荷の軽減が確認出来ていましたが、"WMV9-20Mbps"ではどのGPUを使った場合も動画再生支援機能の効果は確認出来ませんでした。

唯一『GeForce 9800 GTX』だけはCPU負荷を5.5%程度軽減しているように見えますが、CPU負荷推移のグラフを見ていただければお分かり頂ける通り、常時負荷が軽減されている訳ではなく、瞬間的にCPU負荷が下がった(原因は不明)事により平均CPU使用率が引き下げられているだけのようです。




◆ まとめ 〜 検証してみたものの… 〜


 Futuremarkの「3DMark Series」のように、性能を自動的に数値化して評価するベンチマークソフトがない動画再生支援機能は、なかなか検証・レビューしづらいネタだとは思っていましたが、案の定"検証したけど疑問だらけ"な結果になってしまった気がします。せいぜい言えるのは3D描画性能と動画再生支援機能の性能は比例しないということぐらいですね。

とりあえずやってみた今回の検証で、CPU使用率を評価基準にするなら誤差範囲を狭めるためにもっと長時間の動画を再生してみる必要があるという事が分かってきたので、次回以降の検証に生かしていきたいと思います。




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