10月18日(土)に秋葉原のカフェソラーレで行われたAMDのイベント「AMD 秋の大収穫祭」に後半だけですが行ってきました。


AMD fusion



◆ AMDロードマップ・アップデート


 AMDのイベントではもはやお馴染みとなった兄貴こと土井憲太郎氏によるAMD最新ロードマップの紹介が行われました。今回紹介されたロードマップのポイントは大体次の通りです。

 ◆ 2008年第4四半期
  ⇒【CPU】TDP 45W製品に新モデルが追加 (Athlon X2 5050e?)
  ⇒【CPU】KUMA (開発コード名)が市場投入(Athlon X2 7x50 Series?)
  ⇒【VGA】GeForce 9600 GT対抗モデルの市場投入(Radeon HD 4830?)

 ◆ 45nmプロセス採用製品の登場時期
  ⇒45nmプロセス採用製品は2008/Q4〜2009にかけて登場
  ⇒デスクトップ向け製品(Deneb/Heka/Propus/Rana)は2009年中に登場

 OC耐性の高さが噂される45nm版K10コア採用製品の登場が非常に気になるところですが、K10コア版デュアルコアCPU「Kuma」が2008年第4四半期中に登場する事がアナウンスされた事も注目です。

Kumaについては、土居氏いわく「X3の方が速いですよ、マジで。」との事です。これは「デュアルコア以上のCPUを使いきれるアプリケーションが少ない=デュアルコア以上は不要」という意見に「1つのアプリケーションでリソースを使い切るデュアルコアCPUより1コア分余裕があるトリプルコアの方が優位」と言った感じで反論したものです。マルチコアCPUの優位点は使い切る事ではなく余力がある事による快適性にあると考えているので、個人的にはこの意見に賛成です。…でも、それを言ってしまうとKumaがかわいそうです…。

 もっとも、デュアルコアCPUであるKumaには、処理能力以上に動作するコアが少ない事による消費電力面での優位性を期待するユーザーが多いような気がします。是非とも低TDP、少なくとも65W以下で登場してもらいたいですね。


ロードマップ -1-ロードマップ -2-ロードマップ -3-





◆ 多数のAMD製品とデモPCが展示 〜 一風変わったPCも展示 〜


 会場内には、最近のAMD製品の中でも特に評価の高い「Radeon HD 4000 Series」搭載ビデオカードや、「AMD 790GX チップセット」搭載マザーボードなどが展示されていた他、プラットフォームメーカーであると語るAMDだけあってバランス重視や省電力重視などのテーマに応じたデモPCを数多く展示していました。


DFI LP DK 790GX-M2RS HIS製ビデオカード群


 個人的には、現時点でメインマシンの再構築をする場合マザーボードの第一候補に挙げているDFIの790GX搭載ATXマザーボード『LP DK 790GX-M2RS』や、HISのオリジナル外排気式VGAクーラーを採用したビデオカードが購入対象として気になりました。(まだ買えませんが…)

ただ、今回のイベント会場には非常にユニーク…というか、一風変わったデモPCが展示されていました。そのデモPCは"リアルecoパソコン"というテーマでデザインされた「グリーンPC」だそうなのですが…。


グリーンPC


 Antec製PCケース「Twelve Hundred」のフロントベイ部分と、ケース上部の200mm大型ファンが搭載されているはずの部分から…はえてます、草木が生えています。ケースは黒いですが確かにこれはグリーンPCですね。

ちなみに、現時点でこのグリーンPCはケース内に収めたままで水やりが出来る仕様にはなっていない他、定期的に光合成させてあげないといけないため、定期的なメンテナンスが必要となっているそうです。あくまで現時点での話ですので是非メンテナンスフリーを目指して改良に期待したいですね。




◆ まとめ 〜 AMDのイベントらしく迷言も 〜


 今回のイベントではここで紹介した内容以外にも、不要なサービスを停止する事でパフォーマンスの向上を図る「AMD Fusion for Gaming Utility」の紹介などが行われていました。

「AMD Fusion for Gaming Utility」の説明では、サービスを停止する事によって各種ベンチマークで数パーセント程度のスコア向上があったと紹介され、特にパフォーマンスの向上が顕著だった「AMD OVER DRIVE Ver2.1.4」の浮動小数点演算の項目を挙げ、「AMDのCPUは浮動小数点演算が弱いと言われてきましたが、これでAMDのせいではない事がわかりました」(土居氏)などの発言が飛び出し、会場を沸かせていました。(直後にイベント進行役の佐藤氏から今のは「兄貴の発言です=(AMDの発言ではないです)」と言われていましたが)


AMD Fusion for Gaming Utility -説明- AMD Fusion for Gaming Utility -効果-


 最近はグラフィックス関連製品が好調で、製品の展示も中々興味深かった今回のイベントですが、相変わらず面白い発言が飛び出すAMDらしいイベントでした。個人的にはAMDのイベントは他社の開催するイベントよりも内容が充実しているように感じているので、これからもAMDのイベントが開催される事に期待したいです。