2007年09月24日

 先日掲載した「サイズの新12cmファン『ULTRA KAZE』」を見た秋葉原のF氏から、『ULTRA KAZE 2000rpm』と『X-FAN RDL1238S』をお借りする事が出来たので、改めて手持ちのファンとの比較を行ってみました。


ULTRA KAZE -1-   ULTRA KAZE -2-




6種類のケースファンを比較

 今回のケースファン比較には、F氏からお借りした『ULTRA KAZE 2000rpm』と『X-FAN RDL1238S』の他に、「ULTRA KAZE」の1000rpmモデルと3000rpmモデル、三洋電気製の『Owltech F12-N/38』、サイズの超静音ファン『S-Flex SFF12D (800rpm)』の計6ファンを用意しました。

サイズ ULTRA KAZE
回転数1000rpm2000rpm3000rpm
風量44.44CFM87.63CFM133.60CFM
ノイズ19.81dBA32.91dBA45.90dBA
電圧/電流12V/0.25A12V/0.25A12V/0.60A
サイズ/厚み12cm/38mm
ブレード数7枚
軸受けスリーブベアリング
期待寿命30,000時間


ULTRA KAZE 1000rpm ULTRA KAZE 2000rpm ULTRA KAZE 3000rpm



比較に用意したファン
製品名Owltech
F12-N/38
X-FAN
RDL1238S
S-FLEX
SFF12D
回転数2600rpm2000rpm800rpm
風量102.40CFM94.73CFM33.50CFM
ノイズ39.00dBA29.30dBA8.70dBA
電圧/電流12V/0.38A12V/0.25A12V/0.10A
サイズ/厚み12cm/38mm12cm/38mm12cm/25mm
ブレード数7枚
軸受け2ボールベアリングスリーブベアリングS・FDB
期待寿命60,000時間不明150,000時間


Owltech F12-N38 X-FAN RDL1238S S-FLEX SFF12D



 なお、各ファンのテストには『Core 2 Quad Q6600 [B-3 Stepping]』搭載のテスト専用PCを利用しています。テスト専用PCのパーツ構成は以下のとおりです。

テスト環境
CPUCore 2 Quad Q6600 B3 Stepping
(2.4GHz/FSB 1066MHz/TDP 105W/C1E有効)
MEMDDR2-800 2048MB
1GB×2、デュアルチャンネル
M/BDFI 『INFINITY P965-S DARK』
HDDHGST 360GB
PSUサイズ 『剛力 550W』
OSWindows XP Home Edition SP2




冷却能力比較

 まずはケースファンで最も重要な能力である"冷却能力"の比較を行いました。

比較の内容は、テスト専用PCのCPUクーラー(ANDY SAMURAI MASTER)にケースファンを取り付け、フルロード時(Stress Prime 2004 ×4)とアイドル時の温度を「Core Temp 0.95」で計測、各コア温度の平均を比較するというもので、比較テスト実施時の室温は約25℃となっています。


冷却性能の比較
↑ グラフ中で赤文字表記しているサイズの超静音ファン『S-FLEX SFF12D』は冷却不足による警告が出てしまっています。


 結果は風量の多い高回転数モデルになるほどCPUコア温度も低くなっており、冷却能力の高さは風量に左右されるという事がわかります。

ただし、2600rpm/102.40CFMの『Owltech F12-N/38』と3000rpm/133.60CFMの『ULTRA KAZE 3000rpm』にはほとんど差がないように、風量と回転数に比例して冷却能力が高まるという訳ではないようです。ある程度以上の風量になると、CPUクーラー自体の冷却能力限界や室温の影響で差が小さくなっているのだと思われます。

 冷却能力比較テストの参考までに、CPUに負荷をかけているStress Prime 2004を止めてから1〜10分後の温度変化をグラフ化してみました。


10分間のCPU温度推移




消費電力・回転数とファンコントローラの効果

 ケースファンを静音化する手段として、最初から静音仕様の製品を買う以外にファンコントローラを使って回転数を絞るというものがあります。今回は直接電源から電力を供給した場合とファンコントローラを介した場合では、消費電力と回転数にどの程度の差が出るのかを検証してみました。

テストの内容は、BIOS画面でファンの回転数を確認し、ワットチェッカーでシステム全体の消費電力の変化を測定するというもので、利用したファンコントローラはZALMANの『FAN MATE 2』です。『FAN MATE 2』ファンの駆動電圧を5〜11V(±2%)の範囲で変化させる事が出来ると謳っています。


回転数の変化


 まずは回転数のグラフです。ケースファンの標準駆動電圧が12Vであるのに対し、ファンコントローラで制御出来る電圧は最大で約11Vなので、ファンコントローラのダイヤルを最大に設定しても直接電源から電力供給を受けている場合に比べて回転数が低下しています。この傾向は回転数の高いファンになるほど顕著に表れていますね。

わずか1V程度の差とはいえ、直接電源に接続した場合は約2890rpmで回転している『ULTRA KAZE 3000rpm』は、ファンコントローラを介しただけで約2560rpm(ー330rpm)まで回転数が低下しています。ファンコントローラを接続する場合は回転数の低下に気をつけた方がいいでしょう。


消費電力の変化


 続いて消費電力のグラフです。本来ならmW単位で電力を測定出来るテスタを用いて比較したいところですが、残念ながらワットチェッカー以外にケースファンの電力を測定出来る環境が整えられないため、参考までの値としてご覧いただければ幸いです。

 ファンコントローラによる消費電力の変化は回転数の変化に近い形になっており、回転数の低下が大きいものほど消費電力も大きく低下しています。

ただし、いくら回転数が低下しても151〜152W程度で下げ止まっています。ファンを搭載しない状態でのシステム全体の消費電力は150Wなので、ファン単体の消費電力は低くても1〜2W程度となるようですね。



ケースファンの動画

 ファンの動作音については人によって基準が異なる為、多くの人が重要視する項目でありながら非常にレビューしづらい項目です。ちなみに、個人的な感覚で順位をつけると、スペックに表記されているノイズレベルと同じ順番になります。

そこで、今回は各ファンを直接電源に接続して動作させ、それをデジタルカメラで撮影してみました。テスト用PCの電源ファンや、撮影したファンからの風などのノイズを拾ってしまっていますが、動作開始前と動作中の音を聴き比べて頂ければ、各ケースファンの動作音がどの程度なのか参考になるかと思います。






◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 CPUやビデオカードの発熱が大きくなった現在では、ケース内のエアフローを確保する為に必要不可欠となりつつあるケースファンですが、静音を狙いすぎて熱が処理しきれなかったり、高速回転モデルを買ったもののファンの騒音に悩まされたりと、割と失敗しやすいアクセサリだったりします。

私も今年6月に新PCを作成した時に、ケースファンを9基全て(『S-FLEX SFF21D (800rpm)』にして超静音仕様にしたものの、夏場の発熱を処理しきれずに9基中8基を『S-FLEX SFF21F (1600rpm)』+ファンコントローラに変更した経験があります。


 出来ることなら、静音かつ強力なエアフローを実現できる構成にしたい所ですが、どうしても静音ファンは風量が不足しがちなので、それなりの回転数のファンをファンコントローラと組み合わせ、気温やPCの状態に合わせて回転数を変化させると言うのがベターな手段かもしれませんね。

個人的には今メインマシンに採用している『S-FLEX SFF21F (1600rpm)』+ファンコントローラの組み合わせは、最高回転時はなかなかの風量を得られる上、回転数を落とせば『S-FLEX SFF21D (800rpm)』並の静粛性を確保できるのでかなりお勧めです。




最安値情報 …coneco.netより
サイズ 『ULTRA KAZE (3000rpm)』
サイズ 『ULTRA KAZE (2000rpm)』
サイズ 『ULTRA KAZE (1000rpm)』
Owltech 『F12-N/38』
XINRUILIAN 『X-FAN RDL1238S』
サイズ 『S-FLEX SFF21D』
サイズ 『S-FLEX SFF21F』

記事カテゴリ│PC全般検証&レビュー
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